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書籍詳細

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月曜日がつらい先生たちへ

不安が消えるストレスマネジメント

真金 薫子 (著) 


定価:1600円+税 四六判 240ページ
発行年月:2018年3月
ISBN:978-4-7887-1548-6

ジャンル
  • 教育
書籍紹介

数千人の「悩める教師」を診てきた専門医が送る
全国116万人の先生たちへの緊急メッセージ

3人に1人が「抑うつ状態」
 勤務中の中学校教師の3人に1人以上が「抑うつ状態」にある可能性を示唆する調査結果が発表されています。精神疾患による教育職員の病気休職者は全国で5000人前後と病気休職者の63%に上ります。

業務そのものが人間関係

 著者は教師がストレスにさらされるのは「業務そのものが人間関係」であることの難しさによるとしています。教室では児童生徒と向き合い、その背後にいる保護者とも上手にコミュニケーションを取らなければならない。職員室では管理職や同僚がいる。児童生徒との関係がこじれれば、保護者や同僚・管理職との関係もおかしくなります。

 製造業や第三次産業の場合、仕事の目的は物品や情報、金銭のやり取りを目的としています。仕事上の意見の食い違いはあっても、最終的には共同作業の成果が形となって現れ、人間関係は煮詰まりにくいともいえます。

 子供相手とはいえ人間関係なので、相手が本音を見抜いて本音で接してくれば、教師もホンネで向かわざるを得ない。普段、建前でかわせる一般的な職場とは違います。


新任もベテランも教頭も…
 第3章には著者が治療にあたった、個別の事例が詳細に報告されています。頑張り屋の新任女性教師、育児から復帰した女性教諭、複数の主任を掛け持ちし小学校の中核的存在だった50代の男性教諭、30年以上さまざまな学校を経験してきた男性の教頭。こうした先生たちの心が折れて行った様子、問題解決への道のりが詳しく紹介されています。

 50代なかばの女性小学校教師。子どもたちに慕われ、趣味は教材研究。同僚や管理職から信頼されていました。しかし40代から体に不調が。医師からはストレスが原因と診断されますが、薬をのみつづけながら頑張ります。不登校気味の児童の家に朝晩に行き、プリントを届けていました。ある日、仕事の都合で行けなくなり、前日に電話したのに母親から「先生が来てくださらなかったのでうちの子は泣いています」と強く抗議されます。管理職は「毎日行っていたのが裏目に出たね。そこまでしなくてもよかったのに」。この先生は奈落に突き落とされ、翌朝は起き上がれません…。先生という仕事の厳しさを物語る事例も少なくありません。

「マインドフルネス」と「コラム法」
 第4章では、だれにも、すくできるストレスマネジメント法が紹介されています。数分でできる「マインドフルネス」、つらい気持ちが起きた時「状況」「感じた事」「そのときの考え」などをノートに書き起こし自分の思考パターンを客観的に把握する「コラム法」など、いずれも今すぐできることばかりです。

 周囲の対処法、早期発見チェックリストもあり、教員の心の問題への対処に必要な情報はすべて出ています。


【本書目次】
第1章 やりがい転じてストレス化しやすい学校現場!
 特徴1 「人間関係ばかり」の職業
 特徴2 学校独特の職場風土[人間関係編]
 特徴3 多様化し、難しさが増している子どもへの指導
 特徴4 学校独特の職場風土[業務内容編]
 特徴5 学校も例外ではない「ジェネレーションギャップ」問題
 特徴6 教師が持ちやすい思考パターン

第2章 「心の病」にはどのようなものがあるのか
 01 うつ病 ―「心の風邪」と呼ばれた代表的な心の病気
 02 適応障害 ―うつ病とは似て非なる病気
 03 大人の発達障害 ―対人関係に困難さを抱えやすい特性を持つ
 04 パニック障害 ―激しい動悸や息苦しさに襲われる
 05 強迫性障害 ―強迫観念に支配された行動を繰り返す
 06 統合失調症 ―考えや行動がまとまらず、幻聴・妄想などに襲われることも
 07 依存症 ―アルコール、たばこ、薬物からギャンブルまで
 08 摂食障害 ―心理的ストレスが引き起こす異常な食行動
 09 パーソナリティ障害 ―認知や行動の著しい偏りから、生活に支障を来す

第3章 事例解説! 「心の病」になった先生たち
 CASE01 職場全体の支えで休まず回復できたベテラン男性教諭
 CASE02 休暇を繰り返し取るベテラン女性教諭に周囲の不満が爆発
 CASE03 同僚も困惑 アルコール依存症のベテラン男性教諭
 CASE04 次々と降りかかる難題 力尽きた女性の中堅ホープ
 CASE05 周囲との意思疎通に難あり!? トラブル続発の若手男性教諭
 CASE06 周囲のサポートで救われた頑張り屋の新任女性教諭
 CASE07 危険な異動初年度 職場から孤立していった中堅リーダー
 CASE08 若手男性教諭を襲った突然の幻聴
 CASE09 長年頑張り続けた果てに燃え尽きたベテラン女性教諭
 CASE10 段階的な職場復帰訓練で、うつによる休業から復帰した中堅男性教諭
 CASE11 教師間の人間関係に悩み、心を患った中堅女性教諭
 CASE12 ミスが増え始めた教頭 病院で受けた診断は……
 CASE13 自己判断で服薬を中止 再発を繰り返した中堅男性教諭
 CASE14 育休から復帰後、仕事と家庭に挟まれて心を病んだ女性教諭
 CASE15 不登校対応をめぐり職場で孤立した養護教諭

第4章 学校の先生にお勧めしたいストレスマネジメントアラカルト
 01 セルフケア ―自分でできるストレスマネジメント
 02 職場のストレスマネジメント ―理職等によるラインケアの観点から
 03 メンタルヘルス不調者が出た場合 ―求められる周囲との調整

第5章 職員室の心の不調 「早期発見」のチェックリスト
 01 セルフケアのチェックリスト ―自身の心の健康を診断
 02 ピアサポートのためのチェックリスト ―同僚の心の健康を診断

第6章 受診のタイミング もうダメ、と思う手前で
 01 受診のタイミングと相談・受診先
 02 初診時の流れ
 03 受診後の心構え ―すぐに効果が現れなくとも焦らない

第7章 学校の先生が知っておきたい 職場復帰の基礎知識
 01 「休暇」を経て「休職」となる
 02 「復職支援プログラム」の大切さ
 03 周囲に求められる心構え

コラム1 ▼ 精神疾患による病気休職の状況
コラム2 ▼ 心の大掃除
コラム3 ▼ 「声かけ」と「傾聴」こんな言葉を使わないで!
コラム4 ▼ 提案! 休憩時間を作って対話を増やす

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著者情報

真金 薫子

東京医科歯科大学医学部卒業。
大学病院、民間精神科病院等での勤務を経て、1998年より東京都教職員互助会三楽病院精神神経科勤務。2007年より同部長。2011?12年、文部科学省「教職員のメンタルヘルス対策検討会議」委員。2016年より東京都教職員総合健康センター長。東京都教育庁委嘱医。東京医科歯科大学臨床教授。
著書等:『Q&A 学校災害対応ハンドブック』(共著、ぎょうせい)、『教職員のための最新メンタルヘルス・アドバイス』(監修、社会保険出版社)、『学校メンタルヘルスハンドブック』(共著、大修館書店)、『教員のためのメンタルヘルス [DVD](全3巻)』(監修、日本経済新聞出版社)など。