| 家庭の医学 > 健康医療情報「花粉症」 |
 |
 |
| 今や、春の季節病ともいえる「花粉症」。毎年、その年の花粉の飛散量が話題となり、環境省では日々の花粉飛散量情報を紹介しています。花粉症は、花粉の飛散量にかかわらず、今まで症状がでなかった人でも、条件さえ整えば突然発症します。厚生労働省国民生活基礎調査(2001年)では、19.6%の人が花粉症でした。また、従来、30代から50代が主な患者層でしたが、近年、10歳以下の幼児が発症する低年齢化と高齢者患者の増加傾向にあります。こうした現状を踏まえ、政府は、5人に1人が悩む花粉症を国民病として、その根治治療の開発にも取り組んでいます。花粉症のメカニズムと根治治療の最新情報をー。 |
 |
アレルゲンである花粉に接触しなければ、花粉症は発症しません。1にも2にも、花粉への曝露を防ぐことが大切です。
東京都福祉衛生局では、以下の7項目を「スギ花粉の回避方法」としてあげています。
≪スギ花粉の回避方法≫
1 花粉情報に注意する。
2 飛散の多い時の外出を控える。
3 飛散の多い時は窓、戸を閉めておく。
4 飛散の多い時は外出時にマスク、メガネを使う。
5 表面がけばけばした毛織物などのコートの使用は避ける。
6 帰宅時、衣服や髪をよく払い入室する。洗顔、うがいをし,鼻をかむ。
7 掃除を励行する。
環境省でも「花粉症保健指導マニュアル」を作成し、日常生活でのより具体的なアドバイスをあげています。
≪花粉症保健指導マニュアル≫
【外出時】
マスク、メガネ、帽子などで花粉との接触を極力避けます。花粉は、午後に多く飛散するので、午後の外出は控えましょう。
●マスク
花粉がよくとれること、息がしやすいこと、価格などを考えあわせると、材質はガーゼよりも不織布のものの方が安価で性能の良いのもが多く、使い捨てにするのが衛生的にも勧められます。また、マスク装着時の顔とマスクの隙間をなくすために立体的なものが効果的です。
●メガネ
花粉症用メガネも販売されていますが、通常のメガネを使うだけでも、使用しないときより曝される花粉量は半分以下になります。コンタクトレンズを使用している人は、コンタクトレンズによる刺激が花粉によるアレルギー性結膜炎を増幅するので、メガネに変えた方が無難です。
●衣類
羊毛製の衣類は花粉が付着しやすいので、ツルツルした素材のものを選びます。布団カバーも織り目の細かいものにします。布団や洗濯物の日干しは控えます。
【掃除】
マメに行います。花粉は乾いているので、拭き掃除が効果的です。また、午後に多く飛散するので、必ず、夕方か夜間に掃除をしましょう。玄関や窓の開け閉めを少なくします。
【洗顔】
帰宅時の、うがい、手洗い、洗顔を励行しましょう。洗顔すると、症状が軽くなることがあります。目や鼻を洗う際には、水道水で洗うと粘膜を痛めることがあるので、0.9%の食塩を溶かした蒸留水を使うとよいでしょう。
規則正しい生活も大事で、カゼやお酒の飲みすぎは花粉症の症状を悪化させます。寝不足、過労に気をつけ、体調を万全に保ちましょう。 |
 |
治療には症状を緩和する薬物療法と根本的に完治する根治療法があります。
<薬物療法>
症状にあわせた薬物療法が一般的で、化学伝達物質遊離抑制剤や抗ヒスタミン剤を季節前から服用し、化学伝達物質遊離抑制剤や抗ヒスタミン剤の点眼薬、鼻噴霧用ステロイド剤などを症状に応じて用います。しかし、投薬のタイミングをはずすと効果が薄いこと、薬の副作用や毎年シーズン期に薬を使用する面倒さなどから、最近では、根治療法を受ける人も増えています。
<根治治療>
根治治療としてあげられるのが、免疫療法(減感作療法)です。減感作療法はアレルギーの原因となる花粉エキス(抗原)を少量ずつ体内に入れて花粉に慣れさせ、花粉に耐えられる身体を作る治療法です。現在は、注射で抗原を体内に注入する方法がとられています。最初は週に1〜2回症状を起こさない程度の濃度の薄いエキスの注入を少量から始め、その後は2週間に1回、以後は1ヶ月に1回、少なくとも2年間は注射を続けます。まれに、ショック症状などの副作用が起こることもありますが、平成7年度の厚生省長期慢性疾患患者総合研究事業の研究成果では、スギ花粉症に対する減感作療法で、軽症、無症状におさまった人は80%以上でした。重い花粉症患者の人や薬の副作用に悩む人には、お勧めの治療法でしょう。
この免疫療法で、注目されているのが注射を必要としない経口、舌下、点鼻などの減感作療法です。「舌下減感作療法」は、舌の下に小さなパン片を置き、そこに花粉エキスを目薬のように滴下して、2分ほど後にパン片を飲み込みます。パンを使うのは花粉エキスが流れてしまうのを防ぐためで、花粉エキスの濃度を徐々に増やしながら、最初の3週間は毎日1回、4週目からは週に2回のペースで花粉を投与します。注射の痛みがなく通院の必要もないことから、幼児や高齢者には負担もかからず、手軽です。舌下減感作療法は、欧米ではすでに行われています。日本では日本医科大学付属病院で治験の段階ですが、臨床試験も高い成果を あげており、実用化が期待されています。
また、スギ花粉症のアレルギー反応のIgE抗体に対する抗体が作られ、この抗体を注射するとIgE抗体が反応しなくなり、花粉症症状が抑えられることが確認されました。これも、現在、薬剤の申請準備中です。ほかにも「DNAワクチン免疫療法」などの開発も進められ、根治治療の可能性がさらに広がっています。 |
【今年の花粉飛散量予測情報について】
環境省花粉観測システム http://kafun.nies.go.jp/
【花粉症対策、予防&治療などについて】
環境省 http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/
東京都福祉衛生局 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kanho
厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/kafun.html |
| ▲ページトップ |
 |