家庭の医学
医学博士 トップページ お知らせ 最新医療情報 医療機関情報 医療関連サイト 健康図書 デジタル健康コンテンツ 時事通信出版局
トップページ最新医療情報 > 化学物質過敏症〜身近に潜む化学物質のリスクを回避するために〜
化学物質過敏症〜身近に潜む化学物質のリスクを回避するために〜
化学物質過敏症とは
プラスチック・塗料・合成洗剤・殺虫剤・医薬品・化粧品…。
私たちが普段使用しているこれらの製品は、すべて多種多様な化学物質から作られています。
有害な化学物質が体内で蓄積され、その量が自分の適応能力を超えると、突然さまざまな症状が現れるようになります。そして、微量の化学物質にも反応するようになり、日常生活を送るのが困難になるほど症状が悪化する人もいます。「化学物質過敏症」は、2009年に正式な病名として登録され、その患者数も今後さらに増え続けていくことが確実視されている病気です。
主な症状
自律神経症状
発汗異常、手足の冷え、疲れやすい、めまい

神経・精神症状
睡眠障害、不安感、うつ状態、頭痛、記憶力低下、集中力低下、意欲の低下、運動障害、四肢末端の知覚障害、関節痛、筋肉痛
気道症状
のど・鼻の痛み、乾き感、気道の閉塞感、風邪を引きやすい
消化器症状
下痢、ときに便秘、悪心
感覚器症状
目の刺激感、目の疲れ、ピントが合わない、鼻の刺激感、味覚異常、音に敏感、鼻血
免疫症状
皮膚炎、喘息、自己免疫疾患、皮下出血
泌尿生殖器・婦人科系症状
生理不順、性器不正出血、月経前症候群、頻尿、排尿困難
原因物質
化学薬品 殺虫剤、除草剤、抗菌剤、可塑剤など
有機溶剤 塗料、クリーナー、シンナー、芳香剤など
衣料 絨毯、カーテンに含まれる防炎・可塑剤
金属 貴金属、重金属
その他 タバコ煙、家庭用ガス、排気ガス、大気汚染物質、医薬品
※引用:北里大学 医学部 講師 難波龍人:建築雑誌、26-27(1998)
化学物質過敏症にならないために
健康によい食品を選ぶ
  • できるだけ食物連鎖の下位のもの、たとえば新鮮な果物や野菜などを選ぶ
  • 手に入るなら有機栽培の農産物を選ぶ
  • 加工食品は避ける
  • 肉や魚は「清浄」な産地品であることを確認する
家の中を常に清潔に保つ
  • 家の中のチリ(ハウスダスト)をいつも最小限に抑え、どの部屋も十分に換気する
  • 電化製品は、安全のため使わないときはコンセントを抜く
  • 禁煙にする
  • 揚げ物料理は控える
日常生活で使用するものの素材に気をつける
  • 化粧品やパーソナルケア製品には、石油化学製品や合成添加物の含まれて居ないものを選ぶ
  • フローリング材には、PVC(塩化ビニル)ではなく天然素材を選ぶ
  • プラスチックは柔軟なものより、できるだけ硬いものを選ぶ
  • 子どもに与える玩具には、木製か金属製のものを選ぶ
※引用:「家庭にひそむ有害化学物質〜これだけは避けよう、身近なリスク」時事通信社(2009)
身の回りの製品点検ガイド
家具・家電製品
発生源 要注意化学物質 対応策
合成繊維カーペット ホルムアルデヒド等のVOC類・BFR類 天然繊維、またはグリーンラベル認証製品を選ぶ
ソファ・カーテン・布製家具 BFR類・PFC類 高密度に織られた天然繊維で、防汚加工してないものを選ぶ
形状記憶加工の生地 ホルムアルデヒド 化学処理されていない繊維を選ぶ
ポリ塩化ビニル製シャワーカーテン フタル酸エステル ほかの素材を選ぶか、使用前に十分空気にさらす
家庭用電化製品(コンピュータ・携帯電話など) BFR類・BPA プラスチック製の筐体以外の製品を選ぶ
冷蔵庫の棚板 BPA プラスチック製でなくガラス製にする
消臭芳香剤・芳香製品 合成ムスク 必要なら、エッセンシャルオイルを少量使用する
床用ワックス PCF類 ワックス不要の床材にする
略語:BPA(ビスフェノールA)、BRF(臭素系難燃剤)、PFC(有機フッ素化合物)、VOC(揮発性有機化合物)
食品・調理用品
発生源 要注意化学物質 対応策
フッ素樹脂加工の調理器具 PFC類 ステンレス・鋳鉄・セラミック・ホウロウ引きの調理器具を使用する
プラスチック製まな板 トリクロサン 木製まな板を選ぶ
プラスチック製食品容器・ラップ フタル酸エステル、BPA どちらも避ける。プラスチック製の容器に入れたまま電子レンジにかけない
電子レンジ用ポップコーン PFC類 利用しない
インスタント食品の容器 PFC類 容器包装されたインスタント食品、とくに高脂肪食品は避ける
ポリカーボネート製ボトル BPA プラスチック製のボトル、とくに再利用は避ける
缶詰・食品容器 BPA 缶詰、とくに高脂肪食品の利用は最小限にする
プラスチック製の皿・カップ・ナイフ・フォーク類 BPA、トリクロサン ピクニックのときは、紙製の皿・カップ、金属製のナイフ・フォーク類を利用する
アスパルテーム ホルムアルデヒド(分解時の副生成物) 人工甘味料の入った製品は避ける
略語:BPA(ビスフェノールA)、BRF(臭素系難燃剤)、PFC(有機フッ素化合物)
ベビー・子ども用品
発生源 要注意化学物質 対応策
紙おむつ 有機スズ化合物 使うなら環境に優しい製品にするか、布おむつを使う
パジャマなどの衣類 BFR類 化学処理されていない繊維を選ぶ
子ども用靴下 有機スズ化合物・トリクロサン 殺菌剤の添加されている衣料品を避ける
子ども用下着・制服・寝具 トリクロサン/td> 抗菌剤使用の衣類・寝具を避ける
プラスチック製哺乳瓶 BPA ガラス製を使用するか、プラスチック製なら3ヶ月ごとに新しくする
おしゃぶり フタル酸エステル類 天然素材またはフタル酸エステル不使用のプラスチック製品を選ぶ
プラスチック製玩具 フタル酸エステル類・トリクロサン 天然素材またはフタル酸エステル不使用のプラスチック製品を選ぶ
膨らませて使うビニル玩具 フタル酸エステル類・有機スズ化合物 使用しないか、フタル酸エステル不使用の素材を選ぶ
ベビーローション パラベン類 有害成分を含まない天然成分を使った製品を選ぶ
泡入浴剤 ホルムアルデヒド・SLS 有害成分を含まない天然成分を使った製品を選ぶ
ゲル状の玩具 パラベン類 無害である証明がないものは避ける
略語:BFR(臭素系難燃剤)、BPA(ビスフェノールA)、SLS(ラウリル硫酸ナトリウム)
※引用:「家庭にひそむ有害化学物質〜これだけは避けよう、身近なリスク」時事通信社(2009)
【参考】
環境省
http://www.env.go.jp
化学物質過敏症支援センター
http://www.cssc.jp
(2010.3.26)
▲ページトップ