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メタボリックシンドローム
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームの最新調査から
平成18年5月8日、国民の間でメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が広がっている実態が、厚生労働省の調査で判明したことが報告されました。これは、平成16年国民健康・栄養調査のうち無作為に選んだ20歳以上の男女約3900人の血液検査の結果を、初めてメタボリックシンドロームという概念に基づいて分析した結果を示したもので、40歳から 74歳でメタボリックシンドロームを強く疑われる人は、男性が25.7%(予備群26%)、女性は10%(予備群9.6%)でした。この結果から推計すると、同年齢層の日本国民の約 1960万人がメタボリックシンドロームかその予備群と推定されます。実に、男性は2人に1人、女性は5人に1人という高い割合です。心筋梗塞(こうそく)や脳卒中など命にかかわる生活習慣病と密接に関連のあるメタボリックシンドロームの予防と対策を―。

健康局総務課生活習慣病対策室「平成16年国民健康・栄養調査結果の概要」より引用
メタボリックシンドロームとは?
内臓の周囲に脂肪が蓄積する内臓脂肪蓄積型の肥満をもった人が、脂質異常、高血圧、高血糖といった危険因子を2つ以上あわせもった新しい疾患概念をいいます。初期には、日常生活にこれといった支障はなくても、この病態を放置しておくと、糖尿病、高血圧症、高脂血症といった病気になり、やがては、糖尿病の合併症、心筋梗塞や脳梗塞など重篤な病気に進行していきます。一つ一つの数値は軽度でも、危険因子が複数重なることで、病気の発症リスクが高くなります。一つ一つの数値が軽度なため、本人が軽視したまま病気が進行するケースも少なくありません。最悪の場合、突然、心臓病の発作にみまわれることもあります。
メタボリックシンドロームの診断基準
日本内科学会など8学会(日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本循環器学会、日本腎臓病学会、日本血栓止血学会、日本肥満学会)が、合同 で作成し、平成17年4月、日本内科学会で発表されました。内臓脂肪の蓄積を必須条件とし、3つのリスク項目の2つ以上に当てはまると、メタボリックシンドロームに該当します。
具体的には、腹囲が男性は85cm以上、女性は90cm以上で、脂質異常、高血圧、高血糖の3つの診断基準のうち2つが該当すると、メタボリックシンドロームと診断されます。

≪メタボリックシンドロームの診断基準≫
【必須項目】
ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)
男性85cm以上
女性90cm以上
(立ち姿で、軽く息を吐いて測ります)
【上記に加え以下のうち2項目以上】
(1)中性脂肪150mg/dl以上、またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)
40mg/dl未満(あるいはその両方の場合)
(2)高血圧=収縮期血圧130mmHg以上、または拡張期血圧85mmHg以上
(あるいはその両方の場合)
(3)高血糖(空腹時血糖)=110mg/dl以上

平成16年国民健康・栄養調査の概要では予備群の基準を、腹囲が基準値以上で、血中脂質、血圧、血糖の3項目のうち数値異常が1項目あるものと定義しています。
今回の調査では、20歳から29歳の有病該当者は男性が5.1%(予備群12.7%)、女性は0%(予備群0%)、30歳から39歳は男性7.4%(予備群 13.6%)、女性0.6%(予備群2.3%)で、40代以上に急激な増加がみられました。これは、過食、飽食などの食生活、運動不足などの長年の不健康な生活の蓄積が背景にあることを裏付けた結果といえるかもしれません。皮肉にも、便利で豊かになった生活が不健康な生活習慣だった場合には、命を脅かしかねない病気の温床となっています。最近は、内臓脂肪蓄積肥満の若年化も懸念されています。年齢を問わず日ごろからの健康管理に気を配ることが大切です。
内臓脂肪蓄積肥満が怖い理由は?
肥満には、洋ナシ型といわれる下半身肥満とリンゴ型といわれる上半身肥満タイプがあります。洋ナシ型とは、下腹部やもも、お尻に脂肪がつきやすい、ほとんどが皮下脂肪型肥満をいい、女性に多くみられます。りんご型とは、特にお腹まわりに脂肪がついている内臓脂肪型肥満を指すといわれています。
腹囲が、メタボリックシンドロームに該当する男性で85cm以上、女性で90cm以上になると内臓脂肪面積が男女ともに100平方センチ以上あると推定され、健康上の危険領域に足を踏み込んだ状態といえます。小腸などの内臓の周囲に蓄積された内臓脂肪が怖いのは、動脈硬化を抑制する作用のあるアディポサイトカインという物質の正常な分泌を妨げることによります。その結果、動脈硬化が進み、糖・脂質代謝異常、高血圧になり、やがて、重篤な心血管疾患等をひきおこします。また、メタボリックシンドロームに喫煙習慣が加わると、病気の発症リスクがさらに高くなるので、こちらも、要注意です。
蓄積した内臓脂肪を減らす鍵は、「運動」と「食生活」
内臓脂肪を減らすのは、意外と単純で、余分な脂肪は燃焼すればいいわけです。うれしいことに、内臓脂肪は「運動」すれば、確実に燃焼します。蓄積してしまった内臓脂肪は運動で少しずつ消費し、食べ過ぎたときは、その分のカロリーを溜め込まないように小まめに身体を動かすように心掛けましょう。買い物や通勤時 に一駅歩く、階段を使う、マメに動くなど日常生活のちょっとした工夫と努力が、内臓脂肪の解消に役立ちます。
厚生労働省に設置された「生活習慣病健診・保健指導の在り方に関する検討会」では、生活習慣病対策のスローガンとして、

(1)運動習慣の徹底
(2)食生活の改善
(3)禁煙

を呼びかけ、それでもよくならない人には最後の最後として薬の投与をあげています。したがって、適正体重の維持も重要です。どのくらいの運動をしたらよいかなどの「運動」や「食生活」の目安となる数値などが示されているので、以下に紹介します。

≪予防のめやす≫
【適正体重の維持】
適正体重か否かは、BMI(ボディ・マス・インデックス=体格指数、体容量指数)で判定できます。健康上、理想的な数値はBMI22といわれています。適正体重は、18.5≦BMI<25です。

BMI<18.5…やせ
BMI>25…肥満

●適正体重の計算方法
適正体重(kg)=身長<m>×身長(m)×22
ex.身長165cmの場合、適正体重は1.65×1.65×22=59.9kg
●BMIの計算方法
BMI=体重(kg)÷身長<m>÷身長(m)
ex.身長1m65cm(1.65m)で体重が65kgの場合、
65÷1.65÷1.65=23.9

【運動習慣の徹底】
・日常生活における歩数(1日当たり)
男性9200歩以上
女性8300歩以上
・運動の習慣化 
1回30分以上の運動を週2回

【食生活の改善】
・脂肪によるエネルギー摂取は25%以下に(20〜40歳代)
・食塩摂取の減量を。目標は、1日10g未満
・野菜の摂取量の増加を。目標は、1日350g以上
【参考:メタボリックシンドローム 関連ホームページ】
厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp
健康日本21(健康・体力づくり事業財団)
http://www.kenkounippon21.gr.jp
(2006.6.1)
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