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電磁波過敏症〜急増する電磁波障害と、その対策〜

近年、電磁波による健康被害が世界中で報告され、深刻化しています。
電磁波過敏症は、ある特定の周波数の電磁波に反応して、めまいや吐き気、不眠症などの様々な不調が現れるのが特徴で、化学物質過敏症と並ぶ現代病として日本でも注目され始めています。
しかしながら、外見上の判断が難しく、患者本人の自覚症状によるところが大きいため、医学的な検証が限られた範囲でしか行われていないというのが現状です。
今回は、急増する電磁波障害の症状、その対策などについてご紹介します。

電磁波過敏症とは
アメリカの医学者ウィリアム・レイ博士が、世界で初めて電磁波が原因と考えられる様々な症状に注目し、それらを総称して「電磁波過敏症」と名付けました。電化製品や携帯電話などから出る電磁波に反応し、一度症状が現れると他の人が感じないほどの微弱な電磁波でも過敏に反応するようになります。
最初に目や皮膚、神経など、頭や顔面周辺に症状が集中的に現れ、さらにひどくなると呼吸困難や動悸、めまい、吐き気、不眠症、手足のしびれや麻痺、筋肉の痛みなどを訴える人もいます。化学物質過敏症との併発率が非常に高く、80%近くに及ぶという報告もされています。
主に確認されているのは、下記のような症状です。
ウィリアム・レイ博士による電磁波過敏症の13の症状分類
  1. 視力障害、目が痛い、目がうずく
  2. 皮膚が乾燥する、赤くなる、湿疹
  3. 鼻づまり、鼻水
  4. 顔がほてる、むくみ、湿疹、ピリピリした不快感
  5. 口内炎、歯周病、メタリックな味がする
  6. 歯や顎の痛み
  7. 粘膜の乾燥、異常な喉の渇き
  8. 頭痛、短期的記憶喪失やうつ症状
  9. 異常な疲れ、集中力の欠如
  10. めまい、耳鳴り、気を失いそうな感覚、吐き気
  11. 首筋や肩のこり、腕の筋肉や関節の痛み
  12. 呼吸困難、動悸
  13. 腕や足のしびれ、麻痺

ウィリアム・レイ博士による電磁波過敏症の13の症状分類

電磁波の種類
電磁波とは、電気と磁気の両方の性質をもつ「波」のことです。電気が流れたり、電波が飛び交うところには必ず電磁波が発生します。
自然界にも存在し、太陽光の紫外線や赤外線も電磁波の一種です。
光と同じスピード(約30万km/秒)で進み、波が1往復する間に進む距離を「波長」、波が1秒間に往復する回数を「周波数(単位:Hz)」といいます。
私たちが日常生活において接している電磁波は、非電離放射線である太陽光線や電波で、周波数が3kHzから3THzまでを電波と呼びます。

電磁波
  • 電離放射線
  • 非電離放射線
  • ガンマ線
  • エックス線
  • 紫外線の一部
  • 太陽光線
  • 電波
  • 紫外線の一部
  • 可視光線
  • 赤外線
  • マイクロ波
  • 短波・超短波(テレビ波)
  • 長波(ラジオ波)
  • 極低周波(電力周波数)
  • ミリ波
  • センチ波
  • 極超短波(携帯電磁波)
予防接種を受ける前に〜正しい知識を得てから、接種を判断しましょう〜
携帯電話
通話時に携帯電話を頭部に近づけて使用すると、脳の血流が著しく低下することが分かっています。とくに成長期の子どもや赤ちゃんは、大人よりも電磁波の影響を受けやすいので注意が必要です。
欧米では子どもの携帯電話使用を制限するなど、電磁波に対する取り組みが着々と進められているのに対し、日本ではまだまだ具体的な対策が遅れています。世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC)も、電磁波とがん発症の因果関係調査結果として、携帯電話の頻繁な利用で脳腫瘍のリスクが高まる可能性があるとの見解を示しています。
携帯電話の人体への影響についてはまだ研究段階であり、明らかになっていないことが多いですが、簡単にできる対策として普段から下記のようなことに気をつけておきましょう。
  • 通話時間を短くする
  • イヤホンマイクを使用して、頭部にできるだけ近づけない
  • 通話よりも、メールを利用する
  • 睡眠時にからだの近くに携帯電話を置かない
  • 移動中の使用を避ける
  • 電磁波対策グッズを活用する
IHクッキングヒーター
電磁誘導によって電気を熱エネルギーに換えるIHクッキングヒーターは、ガスを使わない代わりに、強い電磁波が発生します。
機種によって差はあるものの、家電製品から出る極低周波(50/60Hz)の電磁波に加えて、電磁誘導に使うやや高い低周波(20KHz〜100KHz)の電磁波も出ています。
使用中でもできるだけ距離をとって見守り、使用時間も短時間に抑えるようにしましょう。
電子レンジ
IHクッキングヒーターと同様に、電子レンジからは高周波と低周波の2種類の電磁波が発生します。必ずアースを取り、使用中はできるだけ距離をとるようにしましょう。また、使わない時はコンセントから電源を抜いておきましょう。
パソコン
長時間の使用による健康への悪影響が多数報告されています。一般的には、デスクトップ型よりもノート型のほうが電磁波が強いとされています(※)。ノートパソコンは長時間の使用を避け、使用時には外付けのキーボードを接続し、コンセントから電源を抜いてバッテリー駆動の状態で作業をしたほうがよいでしょう。デスクトップパソコンの場合は、アースをとる、本体からの距離をとる、不使用時はコンセントから電源を抜くなどを心がけましょう。
※家庭におけるパソコンの普及比率…デスクトップ型72.6%、ノート型68.8%(2011年 価格.com調べ)
電気暖房器具
直接肌に密着して使用する電気毛布やホットカーペットなどは、電磁波の影響も直接的になると考えられます。とくに赤ちゃんや幼児への影響は大きいと考えられるので、できるだけ使用を控えたほうが良いでしょう。
電磁波から身を守るために
現代社会において電気は必要不可欠な存在となり、電磁波から完全に逃れることは不可能といえるほどに私たちの周りには様々な電化製品があふれています。
そして、電磁波のなかでも特に人体に大きな影響を与えるといわれるのが「極超短波」と「極低周波」です。携帯電話などから出ている極超短波と、高圧送電線や変電所、家電製品から出ている極低周波という、私たちにとって最も身近な2つの電磁波が、人体に様々な悪影響を及ぼす原因になると考えられているのです。
このような状況で電磁波から身を守るためには、電磁波の発生源からできるだけ離れ、被ばく時間を減らすということが大切です。
電磁波についての正しい知識を得て適切な対応をすることが、これからの社会を生きていくうえでますます重要になってくるでしょう。
【参考】
総務省総合通信基盤局
http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/index.htm
国立環境研究所
http://www.nies.go.jp/escience/denjiha/
電気安全環境研究所
http://www.jeic-emf.jp/
(2012.4.3)
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