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インフルエンザ対策は、まずは「咳エチケット」で──
1月14日(水)には群馬県に、15日(木)には東京都、神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木県と関東全域に「インフルエンザの流行注意報」が発令されました。東京都では、この10年で最も早い時期の注意報発令です。この発令直後、東京・町田市の病院で、死者3人、100人を越すインフルエンザの集団感染が発生し、東京都は、対応に追われています。今冬は、全国的にインフルエンザの流行が早く、厚生労働省でも昨秋から警戒を強めています。ことに、昨シーズン、欧米などで確認されたインフルエンザに有効な治療薬・タミフルが効かないタイプのインフルエンザウイルスが国内でも確認され、その対策が急務とされています。また、世界的大流行(パンデミック)が危惧されている新型インフルエンザへの警戒も予断を許しません。そんな中、厚生労働省では、「あ、その咳、そのくしゃみ〜咳エチケットしてますか」を標語に掲げ、個人でできる防御策として「咳エチケット」の普及を推進しています。
'予防'と'感染拡大'を防ぐための「咳エチケット」!

インフルエンザは、感染した人の咳、くしゃみ、つばなどの飛沫とともに放出されたウイルスを吸入することによって感染します。飛まつ感染が特徴の「インフルエンザ・新型インフルエンザ」に感染しないためには、感染者に触れないことが第一です。厚生労働省では、インフルエンザ・新型インフルエンザの流行時には、外出を避け、ことに繁華街などには出かけないこと、感染者から2メートルは離れるなどを注意項目としてあげています。「咳エチケット」は、インフルエンザ感染を100%防ぐことはできないとしながらも、流行を極力防ぎ、飛まつ感染を最小限に食い止める効果が期待できるとして、推奨しています。
具体的には、「咳エチケット」を以下のように指導しています。

咳・くしゃみをするときは、ティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。その後、呼吸器系分泌物(鼻汁・痰など)を含んだティッシュは、すぐに蓋付きのゴミ箱などに捨てられる環境を整えましょう。手を汚さずに足で踏んで開閉するペダル式のゴミ箱がお勧めです。鼻汁や咳の飛まつが手に触れたときには、石鹸で手を洗いましょう。
咳をしている人には、マスクの着用を促しましょう。また、自分が咳をする場合にも、マスクを着用しましょう。

「咳エチケット」に欠かせない「マスク」!
「咳エチケット」で重要な役割を果たすのが「マスク」です。マスクは、一般的には、家庭用マスク、医療用マスク、産業用マスクに分類されます。家庭用マスクには、ガーゼマスクと不織布(ふしょくふ)製マスクの2種類があります。厚生労働省では、感染予防には、何度でも洗って使えるガーゼなどのものより、使い捨てできる不織布製マスクを推奨しています。「不織布製」は、文字通り、織っていない布という意味で、繊維や布を熱や機械、化学的な作用によって接着させ、布にしたものです。市販されているものは、顔のラインに沿った形状で密着性を高めた「立体型マスク」と、プリーツ構造の「プリーツ型マスク」の2種類があります。どちらもガーゼタイプのものより、フィルター性に優れ、ウイルスの侵入や拡散に効果を発揮します。不織布製かどうかは、購入時に、箱などのパッケージに「不織布」との記載があるかどうかで確認できます。
不織布製マスクイメージ
いわゆる医療用マスク「サージカルマスク」は、医療用の不織布製マスクで、手術時に医師らが唾液などを患者の手術部位に飛ばさないために使用されます。また、高性能なマスクとしては、結核病棟などでも使用されている防塵マスク「N95」があります。企画基準として「0.3マイクロメーター以上の微粒子を95%以上阻止できる」と定められ、粉塵はもちろんウイルスも95%は防御できるとされています。薬局で一般にも販売していますが、密閉度が高いため、着用に慣れない一般人が長時間使用すると、息苦しさを覚えるなど不快な症状に見舞われることもあるので、通常時での着用には適していません。が、近隣地域で感染者が急増したときや、家族に患者がでてその看護をするときなどに用いるには効果的です。
大事なことは、マスクは正しく装着しないとその効果が得られないことです。「N95」の高性能マスクでも、自分の顔のサイズに合っていない、あるいは、正しく装着されていないと効果が半減します。
マスクの装着で大事な点は、鼻、頬など隙間ができないように着用することです。鼻、頬に密着し、顎まですっぽりと覆うように着けることが大切です。顔の輪郭にあったもの、サイズについては購入の際に、知識のある販売員に相談するなどして、自分にジャストフィットしたものを選びましょう。
 マスクは、手軽に感染に対応できるので、大流行に備えて、自治体によっては住民にマスクを配れるようにと備蓄しているところもあります。いざというときのために、家庭でも一人に20〜25枚は用意しておくと安心です(発症時の罹患期間を7〜10日として、7〜10枚、回復後、健康時に止むを得ず1週間に2回外出するとして8週間で16枚として計算)。マスクは、大人用より子供用のほうが入手しにくいケースもあります。
新型インフルエンザ対策には、2週間分の食料の備蓄も!
厚生労働省では、「咳エチケット」以外にも、インフルエンザ対策の基本として「手洗いの励行」「栄養補給と十分な睡眠」をあげています。パンデミック(爆発的流行)が危惧される新型インフルエンザに対しては、今年早々に、専門家による研究グループを立ち上げ、被害想定や対策を見直すことにしました。これにより、これまで、最悪の場合、国民の4人に1人が感染し、想定死者数64万人と推計されていたデータが上方修正される見通しです。新型インフルエンザ患者が発生した場合には、患者は隔離され、患者に関わる学校は休校に、会社は休業となり、関係者は不要な外出を自粛し、自宅で待機することになります。物質の流通が停滞し、感染患者の職種によっては、通常の日常生活に支障をきたすことも想定されます。こうしたことから、厚生労働省では、少なくとも2週間分の食料や生活用品の備蓄を推奨しています。厚生労働省が推奨する備蓄品を紹介しましょう。
<食糧(長期保存可能なもの)>
主食類としては、米、乾麺類(そば、ソーメン、うどん等)、切り餅、コーンフレーク・シリアル類、乾パン。各種調味料。その他レトルト・フリーズドライ食品。冷凍食品(家庭での保存温度ならびに停電に注意)。インスタントラーメン。缶詰。菓子類。ミネラルウォーター。ペットボトルや缶入りの飲料。
<日用品・医療品の例>
常備品、常備薬(胃薬、痛み止め、その他持病の処方薬)、絆創膏(大・小)、ガーゼ・コットン(滅菌のものとそうでないもの)、解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど) 薬の成分によっては、インフルエンザ脳症を助長する可能性があります。購入時に医師・薬剤師に確認してください。
家族の感染者を家庭で看護するケースも予想されるので、そのためのマスク、ゴム手袋(破れにくいもの)、水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用)、漂白剤(次亜塩素酸:消毒効果がある)、消毒用アルコールなども。
ほか、通常の災害時のための物品(あると便利なもの)として、懐中電灯、乾電池、携帯電話充電キット、ラジオ・携帯テレビ、カセットコンロ・ガスボンベ、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、キッチン用ラップ、アルミホイル、洗剤(衣類・食器等)・石けん、シャンプー・リンス、保湿ティッシュ(アルコールのあるものとないもの)、生理用品(女性用)、ビニール袋(汚染されたごみの密封に利用)など。
<蓄備蓄リスト(厚生労働省推奨)_新型インフルエンザ時>
食糧
乾麺類(そば、ソーメン、うどん等)
切り餅
コーンフレーク・シリアル類
乾パン
各種調味料
レトルト食品(味噌汁、おかゆ、カレー等)
フリーズドライ食品(スープ、乾燥フルーツ等)
冷凍食品
インスタントラーメン
缶詰
菓子類
ミネラルウォーター
飲料(ペットボトル、缶入り飲料
日用品・衣料品 常備薬(胃薬、痛み止め、その他持病の処方薬)
絆創膏(大・小)
ガーゼ・コットン(滅菌のものとそうでないもの)
マスク
ゴム手袋(破れにくいもの)
水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用)
漂白剤(次亜塩素酸:消毒効果がある)
消毒用アルコールうがい薬
解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)
日用品 懐中電灯
乾電池
携帯電話充電キット
ラジオ・携帯テレビ
カセットコンロ・ガスボンベ
トイレットペーパー・ティッシュペーパー
キッチン用ラップ・アルミホイル
洗剤(衣類・食器等)・石けん
シャンプー・リンス
保湿ティッシュ(アルコールのあるものとないもの)
生理用品(女性用)
ビニール袋(汚染されたごみの密封に利用)
【参考】
厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp
国立感染症研究所感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp
(2009.2.2)
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