家庭の医学
医学博士 トップページ お知らせ 最新医療情報 医療機関情報 医療関連サイト 健康図書 デジタル健康コンテンツ 時事通信出版局
トップページ最新医療情報 > 「安全な食」を守るための食品表示について
「安全な食」を守るための食品表示について
産地偽装、加工品への異物や毒物の混入、賞味期限の改ざんなど「食の安全」を脅かすニュースが、後を絶ちません。警察庁は、今年の食品偽装事件の検挙数は、過去最悪だった2003年(11件)を大幅に上回るだろうと予測しています。こうした風潮のなか、化学肥料を使わずに自然に近い農法で作った「有機野菜」や「有機畜産」「自然食品」への関心が高まっています。また、メタボリックの予防や、人間が本来備えている免疫機能を活かす食生活の'知恵'や'食事法'が改めて見直されています。「素食」、「ベジタリアン」、「玄米」や「雑穀」を特集した料理本が人気を集め、日本古来の食事のように玄米を主食とし、野菜、漬物、乾物を副食として健康に長寿を全うすることをテーマとした「マクロビオテック(Macrobiotic)」なども話題となっています。とはいえ、食物の自給率が低く、海外からの輸入食品に頼り、経済的にも可能な範囲で食生活を守ることを考えると、やはり、毎日、購入する際の食材・食品選びが大切です。業者が偽装してしまえば、消費者はお手上げ状態ですが、少しでも安全な食品を購入するために覚えておきたい基本的な食品表示を紹介しましょう。
消費者が知っておきたい食品表示
食品表示は、農林水産省、厚生労働省、公正取引委員会、経済産業省などが目的別に定めています。様々なものがありますが、消費者が普段、よく目にするものは「食品衛生法」「JAS(日本農林規格)法」「計量法」「景品表示法(不当景品及び不当表示防止法)」「薬事法」などでしょう。
各表示の目的、概略のポイントは、以下のとおりです(詳細は、後述のホームページ参照)。

食品衛生法
食品の安全性を確保するために、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止するための法律です。
・表示対象は、容器包装に入れられた加工食品(一部、生鮮品も)。具体的には、マーガリン、アルコール飲料、清涼飲料水、食肉製品、魚肉ハム、冷凍食品、鶏の卵ほか15品目。
・表示を義務付けられている項目は、「名称」「消費期限または賞味期限」「製造所あるいは加工所の所在地、及び製造者あるいは加工者の名前」「保存方法」「食品添加物」「遺伝子組み換え食品」「アレルギー食品(7品目)」など。
「JAS(日本農林規格)法」
正式には、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」で、消費者が適切に商品を選択するために、品質についての正確な情報を伝達します。
・表示対象は生鮮食品と容器又は包装された加工食品。
・表示項目は、加工食品―「名称」「原材料名(食品添加物を含む)」「原料原産地名(記載しなくていいものも)」「内容量」「消費期限又は賞味期限」「保存方法」「製造所あるいは加工所の所在地、及び製造者あるいは加工者の名前(輸入品は輸入業者)、「原産国名(輸入品のみ)」など。生鮮食品―「名称」「原産地」など。
「計量法」
内容量を示すもの。
・表示対象は密封された特定商品。表示項目は、「内容量」「表記者の氏名、又は名称、その所在地」。
景品表示法
商品やサービスに関連する不当表示による顧客の誘引を防止するためのもので、対象は事業者が供給する全食品です。具体的には、内容の不当表示(食品の品質、規格、そのほかの内容について実際のものよりも著しく優良であるという虚偽表示)、取引上の不当表示(価格、数量、保証期間、アフターサービスなど誤認させるような表示)を禁止しています。ほかにも、「原産国」や「無果汁の清涼飲料水の表示」など個別に指定されています。
薬事法
食品に対する医薬品と誤認される効能効果の表示を禁止するものです。対象は、容器包装に入れられた加工食品とそれらの広告も含まれます。
食品を購入するときに、これらの食品表示を無意識に目にしている消費者もいることでしょう。意識的にこうした表示をチェックすることで食品への理解が深まるばかりでなく、表示の文字の大きさをはじめとして、消費者に認識しやすい表示を配慮しているかどうかで、業者の姿勢を理解することができます。
ヘルシーな食材選びの参考になる食品表示
健康の基本は「食」ということで、口から体内に摂取する食物全般に高い意識を持った消費者が急増しています。「医食同源」「マクロビオテック」に賛同する輪は広がりをみせ、その流れはブームを越えて、'究極'の食生活を実践するため、自給自足の田舎暮らしを選択する人もいます。一方、忙しい現代生活のなかで、健康を守るためサプリメントなどの健康補助食品を利用する人も増えています。そして、市場には様々な健康食品が次から次ぎへと出回り、その選択にも悩む時代です。
こうした現状をふまえ、消費者の健康に役立つ食品に関して、厚生労働省や財団法人日本健康・栄養食品協会が用途別に許可及び認定した食品マークがあります。

有機JASマークJAS(日本農林規格)規格に合格した食品にはJAS日マークがついていますが、2001年から新たに施行されたのが、「有機JASマーク」です。有機野菜や有機野菜を使用した加工品への需要が増えるなか、市場では「有機」「無農薬」「自然」「天然」などと表示する野菜や加工品が氾濫しました。なかには、「有機」とはいえないものあったことから、農林水産省は「表示ガイドライン」を策定(1992年)しましたが、法的拘束力がないことから、その後も改善がみられず、2004年4月から基準をクリアした農産物とその加工品にのみ「有機JASマーク」を貼ることができます。これにより、有機と表示できるのは、農薬と化学肥料を3年以上使用していない土地で育てた農産物で、農林水産省の指定機関で検査に合格したものになりました。

特別用途食品マーク」(特別用途食品と認可した食品に) 特別用途食品は、乳児、幼児、妊産婦、病者などの発育、健康の保持・回復などに適するという特別の用途のための食品です。病者、乳幼児、妊産婦、高齢者を対象とし、病者用食品(低カロリー食品、低ナトリウム食品などの病者用単一食品および糖尿病食調製用食品などの病者用組み合わせ食品)、妊婦・授乳婦用粉乳、乳児用調製粉乳、高齢者用食品および、病者用食品、妊産婦・授乳婦用粉乳、乳児用調製粉乳及び高齢者用食品があります。表示には厚生労働省の許可が必要で、食品ごとに、許可基準があるものについてはその適合性を審査し、許可基準のないものについては個別に評価を行っています。例えば、「乳児用」「幼児用」「妊産婦用」「病者用」等などの表示には、健康増進法第26条に基づく厚労省の許可が必要で、特別用途食品マークがなく表示されている場合は、認可されていないことになります。

「特定保健用食品マーク」(特定保健食品の認可食品に)
特定保健用食品は、健康増進法第26条第1項の許可又は同法第29条第1項の承認が必要で、特定の保健目的で摂取したときに、その効果が期待できる食品です。栄養改善や健康の維持・増進と病気の予防のために摂取したときに、摂取目的に役立つ保健機能成分を含み、例えば、血中のコレステロールなどを正常に保つことをサポートしたり、おなかの調子を整えるのに役立つなどの特定の保健の用途がある食品をいいます。ほかにも、無機質類の吸収促進、虫歯予防、血圧調整、血糖値調整など特定保健目的の食品は多様にあり、行政による成分の有効性や安全性についての審査に合格した食品にマークが付けられています。
表示マークは2種類ですが、関与成分や審査の違いなどで3パターンに分類されています。

特定保健用食品 ・特定保健用食品・疾病リスク低減表示=関与成分の疾病リスク低減効果が医学的・栄養学的に確立されている場合は、疾病リスク低減表示を認めています。
・特定保健用食品・規格基準型=許可実績が十分であるなど科学的根拠が蓄積されている関与成分について規格基準を定め、事務局において規格基準に適合するか否かを審査して、許可したものです。この場合、審議会の個別審査はしません。
・条件付き特定保健用食品=特定保健用食品の審査で要求している有効性の科学的根拠のレベルには届かないものの、一定の有効性が確認される食品を、限定的な科学的根拠である旨の表示をすることを条件として、許可対象と認めるもの。許可表示の例としては「○○を含んでおり、根拠は必ずしも確立されていませんが、△△に適している可能性がある食品です。」など。

特定保健用食品 財団法人日本健康・栄養食品協会が安全・衛生面、表示内容について審査し、品目別規格基準を満たした健康補助食品にのみつけることを許可した認定マーク。
品目別に規格基準は異なりますが、主なチェック項目は?含有成分など製品規格(外観・性状、規格成分含有量及び、残留農薬、重金属、一般細菌、大腸菌群など安全衛生面検査)?製造・加工等(原材料や製造・加工施設の管理体制、作業者の衛生管理ほかを審査)?表示・広告(パッケージなどの表示項目や表示方法、食品衛生法、薬事法、栄養改善法等に適合しているかの審査。広告審査も)。
現在、たんぱく質類、脂質類、糖類、ビタミン類、ミネラル、発酵微生物類、藻類、きのこ類、ハーブ等植物成分等などの59規格品目(2008年10月)の健康補助食品にJHFAマークがついています。

「医食同源」「マクロビオテック」などヘルシーな食生活を送るための食材選びにも、こうした認定マークは今後、ますます、役立つことでしょう。

【参考】
「JAS(日本農林規格)法」については、
農林水産省 http://www.maff.go.jp/
「計量法については」については、
経済産業省 http://www.meti.go.jp/
「景品表示法(不当景品及び不当表示防止法)」については、
公正取引委員会 http://www.jftc.go.jp/
「薬事法」については、
厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/
財団法人日本健康・栄養食品協会 http://www.jhnfa.org/
(2008.12.5)
▲ページトップ