家庭の医学
医学博士 トップページ お知らせ 最新医療情報 医療機関情報 医療関連サイト 健康図書 デジタル健康コンテンツ 時事通信出版局
トップページ最新医療情報 > 動物や昆虫によるけがの応急手当
動物や昆虫によるけがの応急手当
クラゲ刺症(クラゲ皮膚炎)
クラゲ刺症は、毒クラゲの触手に触れると発症します。毒クラゲの触手には、毒液と刺糸を含む刺胞という袋があり、触手に触れると、肌に刺胞が突き刺さり、クラゲ毒が侵入します。症状は、灼熱感を伴った鋭い痛みと、刺された部分が赤く腫れ、ミミズ腫れになることもあり、さらに水疱が生じることもあります。重症の場合には、全身倦怠感、頭痛、吐き気、痙攣、などの全身症状が現れ、まれに死に至るケースもありますので注意が必要です。毒クラゲに刺されたときの応急処置は、「消毒」と「クラゲ毒の除去」が基本です。
【アカクラゲ、アントンクラゲ、カツオノエボシなど】
毒クラゲの中でも、アカクラゲは本州から沖縄までの、主に太平洋側に分布し、刺されると、広い範囲にわたって腫れ上がります。アントンクラゲは日本各地に分布し、刺されると、ミミズ腫れや湿疹を生じます。カツオノエボシは、紅斑や水疱などの症状がでます。
毒クラゲに刺されたときの処置は、刺胞を肌にすりこまないように、こすらず、海水で洗い流し、できれば、アルコールかアンモニア水で患部を消毒します。クラゲの毒は、熱に弱いので、乾いた熱い砂をかけてから海水で洗い流すのもよいでしょう。いずれにしろ、洗い流すときに、真水は禁物です。真水で洗うと、浸透圧の差で、刺胞の毒液が体内に流れ込みやすくなるからです。洗ったあとは、腫れや痛みを抑えるために、抗ヒスタミン薬の軟膏や副腎皮質ホルモン配合の軟膏を塗布します。4、5日後に紅斑などの皮膚の症状は消えますが、1週間後ぐらいに、クラゲの毒に対するアレルギーから、再び紅斑が現われることもありますし、さらに紅斑、湿疹、水疱が広範囲にわたるときや、頭痛、吐き気などの全身症状があるときは、速やかに医療機関を受診してください。
応急処置のポイント真水で洗わず海水で洗い流す。
【ハブクラゲ】
ハブより強い毒性があるといわれているのが、沖縄県海域に分布するハブクラゲです。刺されると、激痛に襲われ、ショック状態に陥ります。最悪のときには、呼吸や心臓が停止し死に至ります。また、後遺症に悩まされる人も少なくありません。沖縄県庁薬務衛生課によると、沖縄海域での2004年5月から9月の被害数は165件です。毎年、被害が発生しますが、台風が少ない年は被害件数が増えるようです。
こうしたハブクラゲ刺症を未然に防ぐために、沖縄県では、ハブクラゲ発生注意報をインフォメーションする一方、
(1)海水浴をする場合は、できるだけ防止進入網内で泳ぐ。
(2)遊泳時には、肌の露出を避ける。
(3)海にでかける際は、食酢を持参する。
という3点を呼びかけています。
また、ハブクラゲに刺されたときは、
(1)海から上がり、激しい動きをしないで、身近な人に助けを求める。
(2)刺された部分は絶対にこすらずに、食酢をたっぷりかけて刺胞の発射を抑制し、触手を取り除いたあと、氷や冷水で冷やす。
(3)応急手当をしたあと、必ず医療機関で治療を受ける。
の3点を指導しています。
応急処置のポイント刺された箇所を食酢で洗い流す。
毒蛾皮膚炎
チャドクガ、モンシロドクガなどの毒蛾の毒針毛が皮膚に刺さって生じます。症状は、赤い発疹と我慢できないほどのそう痒感(かゆみ)で、激しいかゆみが10日以上続くこともあります。毒蛾は卵、幼虫から成虫になるまで、毒針毛をもっており、誕生から死ぬまで、人に害を及ぼすことができる恐るべき害虫です。
被害が増加するのは、幼虫が大きくなる5月から9月、成虫になった7月から10月です。
チャドクガの幼虫が生息するツバキ科のツバキ、サザンカ、茶、モンシロドクガが寄生するウメ、サクラ、バラ、クワ、カキなどの樹木付近で、被害にあうケースが多くみられます。
毒蛾に刺されたら、粘着テープを患部周辺に貼り、毒針毛を取り除きます。そして、シャワーなどで洗い流し、かゆみ止めの軟膏(抗ヒスタミン薬や副腎皮質ホルモン配合軟膏) を塗ります。我慢のできないかゆみに対しては、冷却すると効果があります。
かゆみが治まらないときは、速やかに皮膚科医師の診療を受けましょう。塗り薬と併せて、抗ヒスタミン薬の内服で症状を抑える治療が行われています。
応急処置のポイント粘着テープで毒針毛を取り除く。
ブヨによる虫刺され
ブヨは、日本では50種類ほど知られていますが、人を襲うのはアオキツメトゲブヨ、ニッポンヤマブヨなどの約10種類です。全国に分布し、幼虫は小川や渓流などの水辺に生息します。人を刺すのは雌だけです。刺されると激しいかゆみを伴う紅斑や腫れが生じます。
応急処置としては、刺された直後、かゆみ止めの軟膏(副腎皮質ホルモン配合)を塗ります。
症状の発現には個人差が大きく、刺されてから1、2日後に症状が現われることもあります。
かゆみが残るなど何か月も皮膚症状が続き、慢性化するケースもあるので、必ず医師の診断を受けましょう。治療は、かゆみ止めの軟膏(副腎皮質ホルモン配合)のほか、局所注射や内服薬が有効の場合もあります。
屋外で活動するときには、まずは防御が大切です。厚手の長ズボンや長袖の服を着用し、肌の露出を避け、虫除けスプレーを衣服に噴霧しましょう。
応急処置のポイントまずは刺されないように防御をし、刺されたら必ず医師の診断を受ける。
▲ページトップ