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教員採用試験の基礎知識

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[一般教養]傾向と対策

出題傾向

2016年度採用試験では岩手県、宮城県(仙台市)、福島県、東京都、岐阜県、大阪府(大阪市・堺市・豊能地区)、岡山県(岡山市)、広島県(広島市)、熊本県(熊本市)、宮崎県を除く各自治体で一般教養の試験が実施されています。一般教養は幅広い分野から、「基本的な内容」が出題されます。出題科目は国語、英語、音楽、美術、倫理、保健体育といった人文科学系、歴史、地理、政治、経済、時事問題といった社会科学系、数学、物理、化学、生物、地学、環境・科学といった自然科学系科目に大別できます。最近の傾向としては、時事問題を出題する自治体が増えていることが挙げられます。環境問題、情報・IT、国際紛争、国際経済、医療・福祉、科学、スポーツといったジャンルが頻出です。8割以上の自治体が時事問題を出しています。各分野の頻出事項は別表の通りです。

<人文分野>

出題領域 頻出事項
国語 現代文読解(総合)、漢字(読み取り、書き取り、四字熟語)、ことば(敬語、文法)、鑑賞(詩、短歌、俳句)、日本文学史(現代)
英語 熟語・文法、読解(英会話、英文)、表現・作文(短文完成)
音楽 基礎(楽典、声楽、器楽、民俗音楽)
美術 日本美術史(天平、藤原、鎌倉、桃山)、西洋美術史(19世紀)
倫理・思想 西洋(デカルト、ルソー)、日本(福沢諭吉、中江兆民)
保健体育 保健(健康、死亡原因)、スポーツ(ルールなど)
家庭 食品、リサイクル法、クレジットカード

<社会分野>

出題領域 頻出事項
歴史 日本史(江戸時代、明治時代)、世界史(ピューリタン革命、名誉革命、ルネサンス)、第2次世界大戦、現代史(サンフランシスコ平和条約〜)、歴史上の人物と業績
地理 図法と読図、地形、気候、人口、日本の貿易、日本の諸地域(自然・産業・資源)、アジア(自然・産業・資源)、南北アメリカ(自然・産業・資源)、世界の河川・湖沼・山・首都
政治 民主政治、日本国憲法、国会、内閣、裁判所、地方自治、福祉(公害対策、高齢化)、国際連合、NPO、PKO
経済 市場経済(流通、物価、景気変動)、金融(日銀)、財政・税、国民経済(経済成長、戦後経済)、国際経済(円高・円安、国際経済機構、地域経済統合)、完全失業率
時事問題 国内・国際情勢、新法、文化、地元地域の地誌(歴史・地理、県政、人物)、世界遺産

<自然分野>

出題領域 頻出事項
環境・科学 環境汚染・破壊(二酸化炭素、京都議定書)、環境保全、野生動植物に関する条約、技術用語(情報通信、IT、先端医療、遺伝子工学)
数学 数の計算、式の計算、方程式・不等式、関数、図形、確率・統計、数列
物理 力、いろいろな運動、エネルギー、波動(ドップラー効果)、回路
化学 物質の構造、物質の状態(三態、気体、溶液)、物質の変化(反応、酸・塩基、酸化)、物質の性質(化合物、物質の分離・精製、発生法と性質)
生物 生物体の構成(細胞、組織)、生殖と発生、代謝(光合成、呼吸)、遺伝、恒常性と調節(ホルモン)、食物連鎖、顕微鏡の使い方
地学 地震と火山、大気と海洋(気象、海流)、地球の歴史(化石)、地球と宇宙(月、太陽、自転)

実施問題

1. 国語 次の文のうち、言葉の使い方として正しいものを選べ。

  1. 会議の場で的を得た発言をする。
  2. 次の試合では汚名を挽回するつもりだ。
  3. 相手のいい加減な態度に、怒り心頭に発した。
  4. 気をつけますと言った舌の先の乾かぬうちに、同じ過ちを繰り返す。

2. 英語 次の日本文に合う英文になるように( )内の語を並べ替えるとき、使用しない語を選べ。

「食事の前に必ず手を洗いなさい。」
(wash / you / don't / hands / your / before / need / forget / eat / to)

(1) you (2) don't (3) need (4) forget (5) to


3. 地理 世界の産業について述べた次の文のうち、正しいものを選べ。

  1. 中国では、1979年以降、経済特区や開放都市を指定したため海外からの進出企業が増え、経済が急激に成長した。
  2. フランスは、国土の大部分が山地で小麦などの穀物栽培が盛んであり、地中海沿岸では果樹栽培が中心である。
  3. オーストラリアの輸出額の第1位は、1960年代から現在まで羊毛である。

4. 歴史 次の事柄と最も関係の深いものをそれぞれ選べ。

  1. 承久の乱
    ア 桓武天皇  イ 後白河上皇  ウ 後鳥羽上皇  エ 後醍醐天皇
  2. 徳川吉宗
    ア 大宝律令  イ 御成敗式目  ウ 慶安の触書  エ 公事方御定書
  3. 国際連盟本部
    ア パリ  イ ジュネーヴ  ウ ベルリン  エ ニューヨーク

5. 政治 次のうち、国会の権限として誤っているものを選べ。

  1. 法律の制定
  2. 最高裁判所長官の指名
  3. 内閣総理大臣の指名
  4. 条約の締結の承認
  5. 予算その他国の財政に関する議決

6. 経済 租税について述べた次の文のうち、誤っているものを選べ。

  1. 今日に至るまでわが国の税制の基本となっているシャウプ勧告は、直接税中心の制度確立を勧告したものである。
  2. 所得税などの直接税は、税法上の納税義務者と税負担者が同一であるが、たばこ税や酒税などの間接税は、税法上の納税義務者と実際の税負担者が異なる。
  3. 個人の所得に課せられる所得税は、累進税率の適用が可能であり、景気に左右されないことが利点である。

7. 社会 日本国憲法が保障する社会権について述べた次の文のうち、誤っているものを選べ。

  1. 生存権とは「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」である。
  2. すべての国民は、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利をもっている。
  3. 義務教育は無償である。
  4. 国民は勤労の権利を有し、義務を負っている。
  5. 団結権は、公務員には保障されていない。

8. 時事問題 次の文は、平成25年度中に報道されたニュースの一部である。誤っているものを選べ。

  1. 道路交通法の一部が改正され、自転車が通行できる路側帯は、道路の左側部分に設けられた路側帯に限定された。
  2. 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月、高性能と低コストの両立を目指す新時代の固体燃料ロケット「はやぶさ2」の打ち上げに成功した。
  3. ノルウェーのノーベル委員会は、長年、化学兵器の除去に努めてきた活動を評価し、化学兵器禁止期間(OPCW)へのノーベル平和賞授与を発表した。

9. 数学
1〜30の数を1つずつ記入した30枚のカードがある。これを1枚引くとき、2と3のどちらでも割り切れる数が出る確率を答えよ。

10. 物理
100V用の20Wの電球を100Vの電源につないだとき、流れる電流とそのときの電球の抵抗の値の組み合わせとして正しいものを選べ。

  1. 電流―2A 抵抗―100Ω
  2. 電流―2A 抵抗―50Ω
  3. 電流―0.2A 抵抗―500Ω
  4. 電流―0.2A 抵抗―100Ω

11. 化学 次の文のうち、正しいものを選べ。

  1. 私達の身の回りには、酸性タイプの洗浄剤と塩素系の漂白剤がある。トイレや浴室などを掃除するときにその2つを混ぜて使うと効果的である。
  2. 窒素は、空気中に体積の割合で約5分の4含まれている。空気よりわずかに密度が小さい気体で、色やにおいはなく、水に溶けやすい性質がある。
  3. 水素は物質の中で一番密度の小さい気体で、亜鉛に薄い塩酸や硫酸を加えると発生する。水に溶けやすいので上方置換で集めることができる。
  4. 酸素は二酸化マンガンにオキシドールを加えると発生する。酸素には物質を燃やすはたらきがあるが、酸素そのものは燃えない気体である。

12. 生物 酵素について述べた次の文のうち、正しいものを選べ。

  1. 酵素は細胞内でつくられる触媒作用をもつ物質であり、主にタンパク質からできている。
  2. デンプンは、ヒトの体内では胃や小腸に分泌されるペプシンによってアミノ酸に分解され、体をつくる材料となる。
  3. 細胞内でつくられた酵素は体液中に溶け込み、体液によって決められた場所へ運ばれてはたらく。

13. 地学 地震について述べた次の文のうち、誤っているものを選べ。

  1. 地震の時に発生する伝わる速さの異なる2つの波の到着時刻の差が大きい場所ほど震源地に近い。
  2. 地震の時に発生する伝わる速さが速い波を「P波」、遅い波を「S波」という。
  3. 地震による揺れの大きさを示す「震度」は、10段階に分けられている。
  4. 震源からの距離が同じであっても、震度が同じになるとは限らない。
  5. 地震の規模は「マグニチュード」という尺度で表される。

14. 環境 地球環境問題に関する条約について述べた次の文のうち、誤っているものを選べ。

  1. バーゼル条約は、生物資源を持続可能であるように利用することや地球上の多様な生物をその生息環境とともに保全することなどを目的としている。
  2. ラムサール条約は、水鳥の生息地として重要な湿地などの水辺環境を登録し、保護していくことを目的としている。
  3. 気候変動に関する国際連合枠組条約は、大気中の温室効果ガスの濃度を気候などに対して危険な人為的干渉を及ぼさない水準に安定化させることを目的としている。
  4. ワシントン条約は、野生動植物の国際取引を輸出入国が協力して規制することで、絶滅の恐れのある野生動植物の保護を図ることを目的としている。
  5. ウィーン条約は、締約国がオゾン層の変化により生ずる悪影響から人の健康および環境を保護することを目的としている。

<解答>
1. (3)  2. (3)  3. (1)  4. (1)-ウ (2)-エ (3)-イ  5. (2)  6. (3)  7. (5)
8. (2)  9. (5)  10. (3)  11. (4)  12. (1)  13. (1)  14. (1)



受験対策

一般教養は「基本的な内容」が出題されるので、中学から高校で学習する各科目を「広く」「浅く」復習する必要があります。大学入試のときの参考書や教科書、教員試験問題集が役に立ちます。頻出分野はある程度特定できますから、重点的、効率的に学習対策を立てましょう。

時事問題は日ごろから基本的なニュースに関心を持ち、特に頻出の環境問題などはキーワードを整理しましょう。地域特有の地理、産業、教育改革などローカルな問題が出されるところもあります。受験する県の主要産業など基本的な知識は、ホームページなどを利用してしっかりと調べておきましょう。

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