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[専門科目]傾向と対策

出題傾向

教師の適性の一つとして、「専門性」が重視されています。筆記試験の中でも専門科目の配点はウエートが高く、専門で高得点をマークすることが合格ラインを突破する基準となります。専門科目は、その科目の知識と学習指導要領、指導法を問う問題が出されます。解答はほとんどが記述式で、教える教科の知識、授業で正確に指導できる力などが問われます。「小学校全科」を例にとって出題傾向を見てみましょう。

<小学校>

出題領域 頻出事項
国語 現代文、古文・漢文、ことわざ、慣用句、四字熟語、俳句・和歌、文学史、漢字、文法などが出題される。長文読解問題の中で、漢字や文法、文学史、慣用句などを問うのが一般的である。また適切な言葉の選択、接続詞、本文の内容を問う問題など読解力を問う問題が出される。
社会 〈地理分野〉
気候、産業、地図などから出題される。

〈歴史分野〉
日本史を中心に古代から現代までの人物、文化・宗教などから出題。世界史の出題は多くないが、日本史と関連させた出題もみられる。また年表の空欄補充などの問題もあり、出来事の前後関係をしっかり押さえておくとよい。

〈公民分野〉
三権分立、裁判制度、日本国憲法、国際政治、経済政策などから出題。図表の空欄補充や機関・作用など名称を答える問題が出題されている。
算数 数と式(四則計算、連立方程式、因数分解、平方根など)、関数(2次関数など)、図形(面積・体積・相似など)、数列、確率・組み合わせなど、高校数学から出題。計算問題や文章題のほかに指導法との関連問題もある。表や円グラフなどの資料から計算する問題も出題される場合もあるので練習しおくとよい。
理科 物理、化学、生物、地学の各分野から何問かずつ出題されることが多い。出題形式は、計算問題や知識を問う問題が中心であるが、実験の手順や方法を問う問題、それと指導法を組み合わせた問題なども出題されている。

〈物理〉
電流とその利用、反射などからの出題が多い。

〈生物〉
人体、植物、生態系などからの出題がみられる。

〈化学〉
水溶液、化学反応、実験器具などから出題される。

〈地学〉
天体、大気、地震からの出題がある。
生活 学習指導要領に関する出題が多い。空欄補充のほか、実際の活動場面を設定して指導法を問う問題も出されている。楽譜、楽器、音楽鑑賞、学習指導要領
音楽 楽譜、楽器、音楽鑑賞、学習指導要領、指導法――などから出題される。楽譜では音符・記号・曲名が問われる。楽器はリコーダーの運指やピアノの鍵盤を用いた問題が多い。
図工 用具、技法、美術史、学習指導要領、指導法――などが挙げられ、幅広く知識を問われる問題が出題さ。用具では水彩絵の具や彫刻刀の問題、美術史は作品名と作者が問われる。
家庭 学習指導要領や指導法とともに衣(裁縫・洗濯)・食(調理・栄養)・住(住まい・消費)の領域から出題。環境や食の安全など時事的な問題もみられた。指導要領は空欄補充、家庭科の知識としては名称や手順を答えるものが出題されている。
体育 学習指導要領からの出題がほとんどである。知識とともに具体的な種目と指導法を併せて問う問題も出題されている。

実施問題

1. 音楽 小学校学習指導要領音楽の第3学年の歌唱共通教材として正しいものの組み合わせを選べ。

  1. 「かくれんぼ」「春がきた」「虫のこえ」「夕やけこやけ」
  2. 「春がきた」「さくらさくら」「もみじ」「春の小川」
  3. 「ふじ山」「春の小川」「茶つみ」「うさぎ」
  4. 「まきばの朝」「とんび」「春の小川」「ふじ山」

2. 図画工作 工作で使用する用具について述べた次の文のうち、誤っているものを選べ。

  1. 板材の内側を切り抜く時は、まずきりで穴を空け、そこに糸のこの刃を通して切り抜く。
  2. 木を切る時には万力やクランプでしっかりはさんで切ると切りやすい。
  3. 金づち(げんのう)を使う時は、まず丸みのある方で打ち、打ち終わりは反対側の平らな面で打ち込む。
  4. 両刃のこぎりは、木目に合わせて縦引きや横引きを使い分ける。

3. 家庭 繊維の特徴について述べた次の文のうち、正しいものを選べ。

  1. 綿は吸湿性・吸水性が大きいが、アルカリに弱い。洗濯に耐え、しわになりにくい。
  2. 毛は吸湿性・吸水性が小さいが、保温性が大きい。また、アルカリに強く、洗濯に耐え、日光にも強い。
  3. 麻は伸びおよび弾力性が大きく、しわになりにくい。水に濡れると強度が減少するため、洗濯に弱い。
  4. 絹は長繊維であり、酸に強く染色性がよい。しかし、アルカリに弱く、紫外線による黄変、老化が大きい。

4. 体育 次の文は、平成20年版小学校学習指導要領体育の教科の「目標」である。( )に適語を入れよ。
( A )を一体としてとらえ、適切な運動の経験と健康・安全についての理解を通して、( B )運動に親しむ資質や能力の( C )を育てるとともに健康の保持増進と(  D )を計り、( E )明るい生活を営む態度を育てる。


<解答>
1. (3)
2. (3)
3. (4)
4. A:心と体  B:生涯にわたって  C:基礎  D:体力の向上  E:楽しく


<おススメ教材>


  • よくわかる小学校全科

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    小学校9教科/4教科


<養護教諭>

出題領域 頻出事項
学習指導要領 体育(保健体育)の学習指導要領のうち、保健分野から出題。小・中・高校から、学年毎の授業時数や学習内容など基本的事項が出題される。
学校保健関連法規 「学校保健安全法」は必出。養護教諭と担任や家庭との連携、保健指導を規定する第9条は頻出。
学校環境衛生 学校保健安全法基づく学校環境衛生基準から頻出。教室の照度や気体濃度などの基準の正確な数値が問われる。
健康診断・健康観察 定期健康診断、歯科検査、視力検査、聴力検査、尿検査、胸康観察部エックス線検査など健康診断が出題対象。
救急処置 外出血や骨折など学校現場特有の傷病だけでなく、現代的な傷病とそれに対応する最新の救急処置も増えている。
養護教諭の職務 中教審答申「子どもの心身の健康を守り、安全・安心を確保するために学校全体としての取組を進めるための方針について」のうち、養護教諭に関する部分が頻出。
健康相談 健康相談業務について、1997年9 月の保健体育審議会答申「生涯にわたる心身の健康の保持増進のための今後の健康に関する教育及びスポーツの振興の在り方について」から頻出。
専門知識 筋肉、内分泌系、消化器系、眼球など人体の各構造に関する出題のほか、発達障害、エリクソンの発達理論の出題もある。心理学、障害科学、生理学、医学など関連する専門科学諸領域の概論的な知識が試されている。

救急処置 児童が体育の時間にバスケットボールをしていて、友達と激しくぶつかり、額に大きなこぶができた。次の文のうち、学校での応急処置として、誤っているものを選べ。

  1. ベッドに仰臥位で顔を横に向けて寝かせ、患部を冷やす。
  2. 吐き気、嘔吐はないか観察する。
  3. 骨折の有無を調べるため、患部を人差し指と中指でしっかり押さえる。
  4. 瞳孔に左右不動はないか、対光反射の消失はないか検査する。
  5. 手足が動かしにくいことはないか聞く。

<解答> (3)


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<特別支援>

出題領域 頻出事項
学習指導要領・指導法 2009年3月に公示された平成21年版特別支援学校の新学習指導要領からの出題が多かったものの、一部では平成11年版学習指導要領からの出題も見られた。問題は空欄補充形式も指導法しくは記号選択方式で、内容の正確な理解を問うものが多い。
指導法では、教育方法や指導計画の問題のほか、具体的な事例に基づいて指導法を問う問題が出題されている。
関連法規 2007年4月1日の学校教育法の一部改正により、特別支援学校へと制度的転換が行われた。また、2009年3月に改正された学校教育法施行規則により、通級による指導に関する条文が改められた。近年の法改正により、これらに関する問題が多い。主に、教育基本法、学校教育法、学校教育法施行令、学校教育法施行規則、学校保健安全法、障害者基本法、発達障害者支援法などから出題される。
病理と保健 障害の起因疾患の名称と症状および特徴と指導上の配慮が問われる。主に、視覚・聴覚障害、肢体不自由・知的障害、病弱・身体虚弱、広汎性発達障害などから出題される。
検査法 検査法の名称とその内容、発案者などを問う問題が多い。主に、WISC−鶚、ITPA言語能力診断検査、K−ABC、遠城寺式乳幼児分析的発達検査法、新版K式発達検査、田中・ビネー式知能検査などから出題される。
障害児教育の歴史 人物と業績を結ぶ問題や、特別支援教育の発展に関する動き歴史について問われる。主に、障害児教育に関する教育者・学校・施設、障害者施策に関する最近の動向などから出題される。

病理と保健 知的障害の原因について述べた次の文のうち、誤っているものを2つ選べ。

  1. ダウン症候群は、常染色体の突然変異による。
  2. フェニールケトン尿症は、感染症により起こることが多い。
  3. 個体発生以前の性細胞内部に起因するものを内因、受胎後の胎生期、周産期、出生後の種々の条件に起因するものを外因という。
  4. クレチン病は、母子の血液型不適合により発生する。

<解答>  (2)、(4)


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    特別支援教育

  • 4〜6月模試
    特別支援教育


<その他専門科目>

◆中高国語
学習指導要領・指導法、現代文、古文、漢文、詩・和歌、国語常識などから出題。記述式と記号選択式の併用や、記号選択式のみなど、各自治体により異なる。記号選択式では、正誤問題や空欄補充問題などを中心に、記述式では、作者の意図を指定字数以内でまとめる問題もある。指導法に関しては実際の授業を想定した形で、板書方法や展開などを問う問題も出題されている。


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    中高国語

  • 4〜6月模試・中高国語

◆中学社会
学習指導要領・学習指導要領解説、地理的分野、歴史的分野、公民的分野、時事・倫理問題など範囲は広いが、比重は各自治体によって異なり、出題形式は大きく記述式と選択式に分かれる。問題も、基本的知識を問うものから、資料や図の読み取り、実際の授業場面を想定した指導法など多岐にわたる。各分野の関連や科目横断性を問う問題も多い。

◆高校地理歴史・公民
<地理歴史>
世界史、日本史、地理に加え、共通問題を出す所も。世界史、日本史は語句補充や用語説明を求める出題が多い。地理はグラフや図表を読み取る問題が多い。
<公民>
現代社会、倫理、政治・経済などの他に歴史・地理を共通問題とすることが多い。問題の形式は自治体ごとに異なり、選択問題は問題数が多く、記述問題では深い知識が必要。


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    中高社会

  • 4〜6月模試・中高社会

◆中高数学
学習指導要領・指導法と、数学にかかわる問題が主である。自治体によって差異は大きく、筆記では前者を出題しない自治体もあれば、3問以上を出題する自治体もある。後者についても、当該の学校段階の教科書レベルの問題を主とする自治体も、大学1年程度の数学の教養が必要な問題を出題する自治体もあるので、両者を押さえておく必要がある。


  • 4〜6月模試・中高数学

◆中学理科
学習指導要領に加え、物理、化学、生物、地学のすべての分野から幅広く出題。指導要領の内容をはじめ、実験・観察器具の使用方法が頻出。各分野の基礎知識の問題のほかに、複数の表やグラフから的確にデータを読み取り、法則や計算式を使う形式の応用問題がよく出される。基礎的・基本的な知識を完全にして、計算問題に対応できるようにしよう。

◆高校理科
学習指導要領・指導法、物理、化学、生物、地学から出題。ほとんどが大学入試レベルであるので、高校で使用していた教科書や参考書が役に立つ。共通問題は基礎的な問題が多いが、4科目全般が課せられているので、その全てに対して基礎的な知識が必要。専門科目や記述式については、高度な知識や考察が要求される。


  • 4〜6月模試・中高理科

◆中高英語
学習指導要領・指導法、長文読解、英作文、英文法、リスニングから出題。長文読解や英作文のようでも、学習指導要領や指導法、英語教育に関するものが多いので要注意。文法や語法問題は例年通り。選択式や空欄補充もあり、語彙力や文法力が問われる。実施問題を解きながら、教育用語を中心に、オリジナルの単語帳などを作成して、整理しておくとよい。


  • よくわかる中高英語

  • スーパー教職ドリル講座
    中高英語

  • 4〜6月模試・中高英語

◆中高音楽
学習指導要領・指導法、作曲・編曲、楽器、日本の伝統音楽、世界の諸民族の音楽、音楽知識一般から出題。出題形式は、記述式が多い。中でも、編曲に当たって楽譜を書かせたり、学習指導案を書かせたりする場合もあり、時間配分には特に要注意である。学習指導要領を理解し、音楽教育に求められている音楽指導の在り方とその背景を学習の基礎として把握しておこう。


  • よくわかる中高音楽

  • 4〜6月模試・中高音楽

◆中高美術
学習指導要領・指導法、美術史(西洋・東洋・日本)、 美術教育史、技法、用語、材料と用具、色の色彩、表現、実技から出題。指導要領・指導法は、空欄補充、正誤問題などの基本的知識が中心。表現は、絵画・彫刻、デザイン、映像メディア表現の3つの分野、鑑賞として、日本・西洋・東洋美術の各分野。美術史は西洋、東洋からバランスよく、基本から応用まで出題。


  • よくわかる中高美術

◆中高家庭
学習指導要領・指導法、食物理論と実習、被服理論と実習、家庭経営・家庭生活、住居、保育から出題。図表や写真を用いた問題のほか、解答を図で示すものなど、出題形式や解答形式は他の教科と比べて独特。受験者の考えや発想を聞く問題の解答は、受験者が自分の考えの根拠となる学習指導要領や関連法規の趣旨・内容をきちんと理解しているかが問われる。


  • 4〜6月模試・中高家庭

◆中高保健体育
学習指導要領・指導法、実技各論(陸上競技・器械運動・バレーボール・バスケットボール・サッカー・ソフトボール・ハンドボール・ソフトテニス・バドミントン・剣道・柔道・水泳・卓球)、体育理論、保健などから出題。実技各論は、競技規則からも出題。薬物、ドーピング、応急処置に関する問題や生活習慣病、自治体独自のスポーツに関する出題もある。


  • よくわかる中高保健体育

  • 4〜6月模試・中高保健体育

◆高校商業
変化の激しい社会システムに柔軟に対応できる能力を育てる必要性の高まりを背景に、高校商業では、教科として扱う範囲が広まってきた。中でも経済活動とその仕組み、関連法律や英語実務の問題といった幅広い内容が出題。特に、売買取引や流通活動の基礎的な知識や、ビジネス計算能力を問う簿記会計分野、コンピューターなどの出題が非常に目立つ。


  • 4〜6月模試・高校商業