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教員採用試験の基礎知識

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[適性検査]傾向と対策

教員採用試験では、ほとんどの自治体で適性検査を実施しています。現在採用されているのは、内田クレペリン精神作業検査(クレペリン)、矢田部ギルフォード性格検査(YG)、ミネソタ多面人格目録(MMPI)など、性格診断の代表的な検査で、中には、これらのうち2種類の検査を組み合わせて実施する自治体もあります。

実際のところ、これらの検査で教員としての資質の優劣を判断することはありません。主な目的は、常識的な行動が期待できないほど偏った性格の人物をふるい落とすことにあると思われます。したがって、適性検査は恐れるようなものではありません。

受検に際しても、特別な準備や練習は必要ありません。強いて言えば、前日は睡眠・休養を十分にとり、平常心で、あまり考え過ぎずに答えていくことを心がけるようにしましょう。


内田クレペリン精神作業検査

検査用紙には、3〜9までの数字がランダムに116字×17行ずつ、上下2段に配列してあります。受検者は合図に従って、1行目から第1字と第2字、第2字と第3字、第3字と第4字というように、次々に足し算していき、それぞれの答え(10以上になる場合は1の位の数字)を数字の間に書き込む。この作業を1分間行い、次の行に進む。合計15分連続して行い、5分休憩した後、再び15分間の連続作業を行います。

結果の判定は、(1) 誤答の量、(2) 誤答の表れ方、(3) 各行の加算作業の最終到達点を線で結んだ作業曲線(プロフィール)の3つの観点から行われ、これらに基づき、受検者の (1) 知能、作業(仕事)の処理能力、積極性、活動テンポ、意欲などの程度、(2) 性格、行動、仕事ぶりといった面での特徴(癖)、偏り、異常、障害の程度と内容などの特性を判定します。

矢田部ギルフォード性格検査(YG)

検査用紙には、抑うつ性や劣等感、協調性など12の性格特性に応じて、簡単な質問がそれぞれ10問、合計120問並んでいます。これらの質問に対して、「はい ? いいえ」の3つのどれかで回答していきます。普段の自分に当てはまるときは「はい」の欄に○を、当てはまらないときは「いいえ」に○印を付け、どちらとも決めかねるときは「?」に△印をマークします。質問内容は「いきいきしている」「気が短い」「困難にぶつかると気がくじける」「心配性である」「新しいことにもすぐなれる」などといったものです。

これらの答えから、受検者の性格を15の類型に判別します。類型は、A類の平凡・普通型、B類の不安定・積極的、C類の安定・消極的、D類の安定・積極的、E類の不安定・消極的の5つに分かれ、それぞれに典型、準型、混合型の3つの型があります。

ミネソタ多面人格目録(MMPI)

質問項目は「時々笑いの発作や泣きわめく発作が起きる」「急にむかついたり吐いたりする」「時々たまらなく家出したくなる」「夢を判断して方針を決めたり用心しなければならない」といった内容で、回答は「そうです」「ちがいます」「どちらでもない」の中から選びます。質問は550項目にわたり、検査には1時間以上かかりますが、現在は360項目の簡易版が出ており、採用試験ではこちらを使用する自治体が多いようです。

質問項目は具体的でわかりやすいのですが、中には、YESと答えたらどんな性格と判定されるのかと首をかしげたくなるものや、質問文自体があいまいなものなど、回答に戸惑いそうな質問も含まれています。こうした質問には「どちらの答えが『教師の適性あり』とみなされるのか」などと考えずに、正直に答えていくのが一番。この検査は教員としての適性を測るのではなく、ただの“性格検査”だと割り切って受検するようにしましょう。