2019.04.25

File09 菅野美香(かんの・みか)先生 仙台市立六郷小学校

数日後,教師として初めて,
卒業生を送り出すと言っていた菅野先生。
卒業式は,いかがでしたか?

初任者時代と比べ,できるようになったことは?

 この4月で教職7年目になりますが,まだまだ勉強不足だと感じています。ただ,初任者時代と比べれば,余裕を持って子供たちの表情を見ることはできますし,授業における時間配分もできるようになったと思います。初任者時代は,一つの発問,一つの活動に対して,子供たちがどのくらいの時間を必要とするのかも分からず,なかなか上手く授業を組み立てることができませんでした。周囲の先生方が,「少しでも分からないことがあったら,すぐに聞いて」など,何かと気に掛けてくださったので,一つ一つアドバイスをいただきながら経験を重ねていくことができました。特に,ペアを組んで仕事をしていた先生には,宿題の丸付けの仕方や子供の叱り方まで,一から丁寧に指導していただき,本当に助けられました。
 初任校には3年間勤務し,本校に異動。初任校にいる間は,2・3年目でも “新人”気分がどこかに残っていましたが,異動はそうした気分を抜け出すきっかけになりました。自分より若手の先生と一緒に仕事をする機会は,まだそれほど多くはないのですが,初任者の先生も次々赴任してきています。若い先生たちをサポートする側になっていくことを考え,学び続けていかなくてはいけないと感じているところです。

今,教師として力を入れている「学び」はありますか?

 情報教育です。平成29・30年度と校務分掌で「情報主任」を担当。情報機器を取り入れた教育の計画や,情報活用能力を高めるための授業の工夫などに取り組んできました。学校としての研究テーマも,情報機器の活用や情報活用能力の育成に関するものだったので,大学の先生を招いて講義を受けたり,授業を見ていただいてアドバイスを受けたりする機会もあり,自分の授業を見直すことができました。
 この期間,持ち上がりで担任してきた5・6年生に対しては,「必要な情報を選び,他人に伝える」ことを重点的に指導。初めは,動画等から見つけた言葉をそのまま伝えるだけだった子供たちも,6年生になると,分かりやすい伝え方を工夫したり,自分なりの意見を加えたりすることができるようになるなど,確かな成長が見られました。どうしたら情報機器を上手く授業に取り入れられるのかなど,当初はまったく自信がなく,難しいことも多かったのですが,取り組んだ甲斐はあったと実感することができました。これからの授業にも,この経験を活かして取り組んでいこうと思っています。

これまでの教職人生で,嬉しかったことを一つ教えてください。

 本校には,卒業を控えた6年生が校長先生と会食をするイベントがあります。平成30年度は6年生の担任になったので,学級の子供たちにも会食がありました。その席で子供たちが,「美香先生は話しを聞いてくれるし,相談に乗ってくれるから好き」と言っていたと,校長先生から聞かされました。
 小学校教師として,初めて担任することになった高学年の子供たちです。少し大人びてきた子供たちは,思ったことや感じたことを隠すことがあります。言葉や表情に出さずに悩んでいることもあるので,気を付けて様子を見ること,話し掛けてもらえるような関係性を築くことを心掛けてきました。悩みの内容も大人に近づき,相談を受けても簡単には答えられず,なんて言ったらいいのかを延々と考え続けることもありました。だからこそ,「話しを聞いてくれる,相談に乗ってくれる」と子供たちが感じてくれていたとことは,嬉しかったです。
 あと数日で卒業式を迎えます(取材3月)。教師として初めて送り出す卒業生です。授業をしているときは大丈夫なのですが,卒業式の練習を見ているときや子供たちが帰った後などは,寂しくなります。卒業式本番では,多分,泣くと思います。

読者へのメッセージをお願いします。

 私は何かと失敗することが多いのですが,その分,同じように失敗して落ち込んでいる子供たちの気持ちを分かってあげることができます。成功体験はもちろん大切ですが,失敗もたくさん体験しておいてください。それは,子供との関係づくりのきっかけにもなります。
 そして,教師として働いてみて感じるのは,「子供たちに教える内容は,時代に合わせて変わっていく」ということです。「学び続ける教師」が求められるのは,そうした変化に対応していくためなのでしょう。だからこそ,学び続けることを楽しめる人に,向いた職業だと思います。