2019.08.02

File12 羽根井寛人(はねい・ひろと)先生 千葉市立松ケ丘小学校

「先生」「先生!」「先生!!」
あちこちから絶え間なく呼ばれる羽根井先生。
そばに来て欲しくて,名前を呼んで欲しくて,子供たちは一生懸命です。

Q1 指導の上で心掛けていることは?

 低学年である2年生を担任しているので,言葉は短く簡潔にして,繰り返し伝えることを意識しています。また,何か活動に取り組むときは,行動を細かく区切って「① ○○します」「② ○○します」と,順番に伝えます。そうしないと低学年の子供たちは上手く動くことができないのです。
 教職3年目になりますが,1・2年目は5年生を担任,低学年担任は今年が初めてです。2年生担任と決まった後,周囲の先生方から,「低学年は同じことを何度も言わないとダメだよ」とアドバイスをいただいていたのですが,その大切さを痛感することが初日にありました。
 その日は天気が良くなかったこともあり,1時間目の後にある長い休み時間に新学期用のさまざまな書類配布を予定。授業の最後に「次の休み時間は,校庭には行かないで教室に残ってください」と伝えました。そして,姿勢を正して「ありがとうございました」と終わりの挨拶。休み時間に入ったとたん,校庭に行こうとする子が何人もいたのです。子供たちに悪気はありません。姿勢を正し挨拶をするという動作の間に,指示を忘れてしまったようなのです。これには驚きました。
この場合,挨拶が終わった後に,「休み時間はどうするんだった?」と問い直すべきだったのです。指示は行動の直前にも繰り返すこと。確実に伝わったかを確認する質問を重ねることの重要性を,日々感じているところです。

Q2 英語教育を専門に学ばれてきたそうですが,小学校を選択した理由は?

 実はずっと中学校教師を考えていました。ただ,漠然とした希望でしたし,中学校教師に限定した選択をしてしまったら,自分が小学校について学ぶことは今後ないかもしれないと考え,大学は中高英語の免許も取得できる小学校の英語教育専修課程に進みました。学部生の間も,やはり中学校かなと考えていたのですが,英語指導に対する学びを深めるために進学した大学院で考えが変わりました。在学中,療養休の代替教員(非常勤講師)として色々な中学校で短期間の勤務を重ねる中で,中学校が3年間であるのに対し,6年間ある小学校に興味を持ったのです。
 中学校での勤務は,大学院の英語指導に関する学びを実践できる,楽しい経験でした。しかし,低学年から高学年まで6年にわたる子供の成長に対応していくことは,教師としてより多くの成長・経験につながるように感じ,小学校を選択しました。

Q3 教師になって,初めて知った教師の仕事はありますか?

 保健関係の書類の仕事です。アレルギーや予防接種の状況など,子供たちが1・2歳の頃からのさまざまな書類の確認・保管が必要だということは,大学でも大学院でも教えてもらっていませんでした(笑)。
 学部生時代には学校ボランティアをしていましたし,院生時代には非常勤講師もしていて,学校現場を見る機会は多かった方です。それでも,学生の目には見えないところで,先生方は多くの仕事をしていたようです。授業など学習面だけでなく,生活面も含めて子供を見るのが担任教師の仕事なんだということを,教師1年目に初めて知りました。

Q4 教師としての今後の希望は?

 今は,周囲の先生方をよく見て,教師の仕事の全体像を把握し,学んでいく段階だと思っています。だからこそ,色々な経験を重ねていきたいです。例えば校務分掌。外国語教育などを担当しているのですが,経験していない校務分掌にも,今後どんどん挑戦していきたい。10年,15年が過ぎ,ベテラン教師と言われる年齢になったときに,経験していない仕事がたくさん残っているのでは大変です。周囲からのサポートやアドバイスが受けやすい若手のうちに,できるだけたくさんの仕事を経験しておきたいです。

Q5 教師を目指す読者へのアドバイスをお願いします。

 採用試験対策は,1人より友人たちと一緒に取り組むことをお勧めします。自分が対策に取り組んでいたとき,周囲の皆と言っていたのは,「情報を集めた者が勝つ」ということです。当時,千葉県・千葉市では,教職教養の難易度が上がりつつある傾向が見えていました。「昨年度と同レベルならこのくらい」「もう少し上がるならここまで問われかもしれない」など,問題集や雑誌(『教員養成セミナー』です)などから集めた情報を各自が持ち寄り,共有。話し合いながら,傾向を探って対策を進めていました。皆で取り組むことで一人ではできない対策が可能になると思います。
 そして,長期旅行やアルバイトなど,教師になってからではできないことを思い切りやっておくのも大切なことです。