2022.12.27

教育ニュース

小中生の体力、過去最低 コロナ影響、「運動好き」改善も―スポーツ庁

【教育ニュース】スポーツ庁は12月23日、小学5年と中学2年の2022年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(全国体力テスト)の結果を公表した。実技テスト8種目の成績を点数化した「体力合計点」は19年度以降低下(20年度は新型コロナウイルスの影響で中止)。08年度の調査開始以来、小中男女ともに過去最低となった。
体力低下について同庁は、運動時間がコロナ禍以前の水準に戻っていないことや肥満の増加、生活習慣の変化などが主な要因とみている。

調査は4~7月、国公私立の小5と中2の全児童生徒を対象に実施。うち小5約99万人と中2約91万人の数値をまとめた。
合計点の平均は小5男子は52.3点(前回52.5点)、小5女子54.3点(同54.7点)、中2男子が40.9点(同41.1点)、中2女子47.3点(48.4点)だった。
種目別では、小中男女の50メートル走、20メートルシャトルラン、中学男女の持久走、上体起こし、反復横跳びは前回から低下。中2男子の立ち幅跳びは調査開始以来最高だったが、小5男女と中2女子は低下した。
体育の授業を除いた1週間の総運動時間の調査では、420分以上と答えた割合は小中男女とも前回から増えたが、19年度以前の水準には戻っていない。
「運動が好き」と答えた割合は前回より改善。「体育が楽しい」も中学男女で過去最高だった。一方、肥満の割合は前回より増え、中学女子を除き、これまでで最高だった。

調査結果を分析した中京大の中野貴博教授は、子どもの体力低下について、生活習慣の変化や運動機会の減少など「コロナの影響は無視できない」と指摘。一方で、運動時間や「運動が好き」と答えた子どもが増加しており「十分回復は可能」としている。


小中生の体力、過去最低 コロナ影響、「運動好き」改善も―スポーツ庁(時事ドットコム)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122300846&g=soc

【参考】令和4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(スポーツ庁ホームページ)
https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/toukei/kodomo/zencyo/1411922_00004.html