2019.02.01

試験に出る教育法規 スッキリ解説! 第6回・地方公務員法

法律用語のモヤモヤにはワケがある! 試験に出る教育法規 スッキリ解説!

難解な教育法規の用語には「訳」がある!
なぜ、そんなモヤモヤする「言い方」をしているのか、分かりやすく解説します!

地方公務員法 施行:1950(昭和25)年 最終改訂:2017(平成29)年 

地方公務員法は,地方公共団体に勤務する地方公務員の任用,人事評価,給与,勤務時間その他の勤務条件,休業,分限及び懲戒,服務,退職管理,研修などについて定める重要な法律です。公立学校に勤務する教職員についても,地方公務員法が適用されますが,併せて,教育公務員特例法に定める特例措置が適用されます。

降任,免職,休職等

スッキリ解説 1

 公務員は「身分保障(=本人の意思に反した地位変動の制限)」がなされていますが,一定の事由がある場合には,公務能率の維持の観点から,職員の意思に反して,身分上の変動をもたらす処分(=「分限処分」という)を行うことができます。分限処分のうち,降任と免職の処分の対象としては,「人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして,勤務実績が良くない場合」「心身の故障のため,職務の遂行に支障があり,又はこれに堪えない場合」「その職に必要な適格性を欠く場合」「職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」の4つが規定されています。

スッキリ解説 2

 「その職に必要な適格性を欠く場合」とは,当該職員の素質,性格,能力等から考えて,常に公務員としての義務不履行が存在し,公務員たるにふさわしくない顕著な特性があって,それが簡単に矯正できないような程度のものである場合をいいます。教員がその職に必要な適格性を欠く場合とは,児童生徒への指導が不適切で,教育公務員特例法第25条に定める「指導改善研修」を受けさせても,なお改善されないような場合が該当します。

懲戒

スッキリ解説 1

 「懲戒処分」とは,職員(=地方公務員)に一定の義務違反があった場合に,その道義的責任を追及し,公務員関係の規律と秩序を維持することを目的として,職員の任命権者が科す制裁処分です。地方公務員の懲戒については,地方公務員法第29条第1項において,「戒告」「減給」「停職」「免職」の4つの処分が定められています。懲戒処分の対象としては,「法令等の定める規定に違反した場合」「職務上の義務に違反し,又は職務を怠った場合」「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行があった場合」の3つが規定されています。

スッキリ解説 2

 地方公務員には,公務員としての地位に基づき課せられている規律を守る義務があります。このような公務員の服務義務のうち,公務員が職務を遂行するに当たって遵守すべき義務が「職務上の義務」です。職務上の義務に属するものとしては,①服務の宣誓(地方公務員法第31条),②法令等及び上司の職務上の命令に従う義務(同法第32 条),②職務に専念する義務(同法第35条)があります。