2018.12.25

【教育原理】解いておきたい 2018年夏の実施問題

1 次の文は、「小学校学習指導要領」(平成29年3月)の「第1章 総則」の「第1 小学校教育の基本と教育課程の役割」の一部である。(  )に入る語句を選べ。(高知県)

 道徳教育や体験活動、多様な表現や鑑賞の活動等を通して、豊かな心や( ① )の涵養を目指した教育の充実に努めること。
 学校における道徳教育は、特別の教科である道徳(以下「道徳科」という。)を要として学校の教育活動全体を通じて行うものであり、道徳科はもとより、各教科、外国語活動、総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて、児童の発達の段階を考慮して、適切な指導を行うこと。
 道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、自己の生き方を考え、主体的な判断の下に行動し、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる( ② )を養うことを目標とすること。
 道徳教育を進めるに当たっては、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、豊かな心をもち、( ③ )を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛し、個性豊かな文化の創造を図るとともに、平和で民主的な国家及び社会の形成者として、公共の精神を尊び、社会及び国家の発展に努め、他国を尊重し、国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献し未来を拓(ひら)く主体性のある日本人の育成に資することとなるよう特に留意すること。
ア 創造性 イ 人権  ウ 伝統と文化 エ コミュニケーション力  
オ 道徳性 カ 社会性 キ 感受性   ク 個性


2 次の文は、「中学校学習指導要領」(平成29年3月)「第1 章 総則」の「第4 生徒の発達の支援」の一部である。(  )に入る語句の正しい組み合わせを選べ。(神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市)

 教育課程の編成及び実施に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
⑴ 学習や生活の基盤として、教師と生徒との信頼関係及び生徒相互のよりよい人間関係を育てるため、日頃から学級経営の充実を図ること。また、主に集団の場面で必要な指導や援助を行う( ① )と、個々の生徒の多様な実態を踏まえ、一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行う( ② )の双方により、生徒の発達を支援すること。
⑵ (省略)
⑶ 生徒が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう、( ③ )を要としつつ各教科等の特質に応じて、( ④ )の充実を図ること。(以下省略)
ア ①カウンセリング ②ガイダンス   ③特別の教科 道徳 ④キャリア教育
イ ①カウンセリング ②ガイダンス   ③特別活動     ④進路指導
ウ ①ガイダンス   ②カウンセリング ③特別の教科 道徳 ④進路指導
エ ①ガイダンス   ②カウンセリング ③特別活動     ④キャリア教育


3 次の文は、「中学校学習指導要領」(平成29年告示)の「第1章 総則」の一部である。(  )に入る語句を選べ。(愛知県)

⑴ 単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら、生徒の主体的・( ① )で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと。
  特に、各教科等において身に付けた知識及び技能を活用したり、思考力、判断力、表現力等や学びに向かう力、人間性等を発揮させたりして、学習の対象となる物事を捉え思考することにより、各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(以下「見方・考え方」という。)が鍛えられていくことに留意し、生徒が各教科等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を( ② )して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう過程を重視した学習の充実を図ること。
⑵ 生徒が生命の有限性や自然の大切さ、主体的に挑戦してみることや多様な他者と( ③ )ことの重要性などを実感しながら理解することができるよう、各教科等の特質に応じた体験活動を重視し、家庭や地域社会と連携しつつ体系的・継続的に実施できるよう工夫すること。
 ア 対話的 イ 個別的 ウ 精査 エ 信頼 オ 協働する カ 競い合う


4 次の文は、ある学習指導の事例に関するものである。この事例における主な学習指導の方法についての記述として正しいものを選べ。(東京都)

中学校第3学年の理科の授業を担当するA教諭は、次の新たな単元Xの学習の授業を以下のように行った。
 A教諭は、この単元Xの導入で、単元Xの学習内容に関する個々の生徒の知的背景や過去の経験を調べるために、簡単な○×クイズを行った。そして、生徒の既得の知識や経験と単元Xの学習内容とを関連させ、生徒の学習意欲を促すとともに、授業の方向付けを明確にした。次に、A教諭は、単元Xの学習内容を説明した。生徒に学習内容の要点をまとめさせたり、定着テストを行ったりを繰り返しながら、知識の定着を図った。知識を定着させた後、A教諭は、生徒の自主的判断力や問題解決のための思考力の形成を目指し、教材や資料、実験器具などが整備された理科実験室で、生徒にグループ別に実験を行わせたり、個別の研究を行わせたりして、この単元Xの学習内容の理解を図った。その際、生徒の学習進度に応じて個別に指導を行った。その後、A教諭は、生徒に、この単元Xの学習内容を自分の言葉で整理させた。最後に、A教諭は、生徒がこの単元Xの学習によって習得した学習内容を、他の生徒にも理解できるように説得力をもたせて説明させた。

① イエナ・プランにみられる、異年齢や特別支援を必要とする子供を含む学級を構成し、子供同士の経験によって学習した内容を身に付けさせるという学習指導の方法である。
② ウィネトカ・プランにみられる、教育課程を共通科目と、集団的・創造的活動に分け、集団的・創造的活動では生徒の関心に合わせた取組が許容されるという学習指導の方法である。
③ モリソン・プランにみられる、教授過程を、探求、提示、同化、組織化、発表の5段階とし、段階を経て学習内容を習得させるという学習指導の方法である。
④ ヴァージニア・プランにみられる、教科主体の系統学習を排除し、社会生活の経験を中核とするコア・カリキュラムを設定し、それに応じて指導を進めるという学習指導の方法である。
⑤ ドルトン・プランにみられる、子供の自発性を尊重し、個別の学習計画に従って学習を進めていくという学習指導の方法である。


5 次の文は、「特別支援教育の推進について(通知)」(平成19年4月1日文部科学省)「1.特別支援教育の理念」の一部である。(  )に入る語句の正しい組み合わせを選べ。(神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市)

 特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒の自立や( ① )に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものである。また、特別支援教育は、これまでの特殊教育の対象の障害だけでなく、知的な遅れのない発達障害も含めて、( ② )を必要とする幼児児童生徒が在籍する全ての学校において実施されるものである。
 さらに、特別支援教育は、障害のある幼児児童生徒への教育にとどまらず、障害の有無やその他の個々の違いを認識しつつ様々な人々が生き生きと活躍できる( ③ )の形成の基礎となるものであり、我が国の現在及び将来の社会にとって重要な意味を持っている。

 ア ①学習参加 ②配慮    ③共生社会
 イ ①学習参加 ②特別な支援 ③グローバル社会
 ウ ①社会参加 ②配慮    ③共生社会
 エ ①社会参加 ②特別な支援 ③共生社会
 オ ①社会参加 ②配慮    ③グローバル社会

解答&解説

1 ①-ア ②-オ ③-ウ →平成29年版小学校学習指導要領(2017年3月)の「第1章 総則」「第1 小学校教育の基本と教育課程の役割」の2⑵を参照。
2 エ →平成29年版中学校学習指導要領(2017年3月)の「第1章 総則」「第4 生徒の発達の支援」「1 生徒の発達を支える指導の充実」の⑴及び⑶を参照。
3 ①-ア ②-ウ ③-オ →平成29年版中学校学習指導要領(2017年3月)の「第1章 総則」「第3 教育課程の実施と学習評価」「1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」の⑴及び⑸を参照。  
4 ③ →③:事例中の以下の部分がモリソン・プランの科学型における教授段階に当てはまる。「個々の生徒の知的背景や過去の経験を調べるために、簡単な〇×クイズを行った。そして、生徒の既得の知識や経験と単元Xの学習内容とを関連させ、生徒の学習意欲を促すとともに、授業の方向付けを明確にした。」(探求)「単元Xの学習内容を説明した。」(提示)「生徒にグループ別に実験を行わせたり、(中略)学習内容の理解を図った。」(同化)「(中略)学習内容を自分の言葉で整理させた。」(組織化)「習得した学習内容を、他の生徒にも理解できるように説得力をもたせて説明させた。」(発表)
5 エ →文部科学省「特別支援教育の推進について(通知)」(2007年4月)の「1.特別支援教育の理念」を参照。