全国の小中学校などが2017年度に認知した「いじめ」の件数が、前年度比9万1235件増の41万4378件だったことが25日、文部科学省の「問題行動・不登校調査」で分かった。過去最多を更新。特に、小学校の低学年での増加傾向が顕著だった。
文科省は17年、いじめ防止の基本的方針を改定。けんかやふざけ合いでも調査し、被害性に着目していじめか否かを判断するよう通知した。同省は、件数増について「初期段階も積極的に認知し、解消に向けた取り組みのスタートラインに立っている」と肯定的に評価している。
認知件数は、小学校が7万9865件増の31万7121件、中学校が9115件増の8万424件、高校は1915件増の1万4789件。小学校1~4年で各1万4000件以上増えた。
いじめの内容(複数回答)では「冷やかしやからかい、悪口」の割合が62.3%を占め、最も高かった。「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」が21.0%。インターネット交流サイト(SNS)を含む「パソコンや携帯電話などでの誹謗(ひぼう)、中傷」は3.0%の1万2632件で過去最多となり、高校ではいじめの内容で2番目に多かった。
小中高校から報告があった児童生徒の自殺は250人で、前年度から5人増。このうち、いじめの問題が要因とされたのは10人だった。
30日以上欠席した不登校は、小学校が4584人増の3万5032人、中学校が5764人増の10万8999人、高校は1078人増の4万9643人だった。暴力行為の発生件数は、小学校が5474件増の2万8315件だった。
今回の調査では、政令市別の結果も公表。文科省は同じ道府県内の他自治体と比較し、特徴的な傾向があるか分析する