今年ももうわずか。みなさん、2018年初めに立てたであろう目標や志、達成できたでしょうか?何かと慌しい年末ですが、あえてここで1年を振り返り、新たな気持ちで新年を迎えてみるのはいかがでしょう。今月は、「自分とガッツリ向き合いたいとき」におススメの本とDVDをご紹介します。
2018.12.25
今年ももうわずか。みなさん、2018年初めに立てたであろう目標や志、達成できたでしょうか?何かと慌しい年末ですが、あえてここで1年を振り返り、新たな気持ちで新年を迎えてみるのはいかがでしょう。今月は、「自分とガッツリ向き合いたいとき」におススメの本とDVDをご紹介します。
「自分とガッツリと向き合いたいとき」とはどんなときなのでしょうか。私にとって、それは自分の進むべき道に対して不安や疑念を抱いたときだったように思います。そんなときに本書とこの続編の2冊の『生き方の研究』が、私に優しく先人達の辿った道を教えてくれました。必ずしも偉人達ばかりというわけではありません。さまざまな先人達を、それぞれの人生に合った切り口で紹介してくれているので読みやすく、ある日ふと手に取ってみてもいくつもの生きるヒントをくれます。例えば、「人生の短さについて-セネカ」「規則正しい生活について-カント」「男の純情について-在原業平」、続編には「ほどほど、について-白楽天」「慣用について-エラスムス」など、20ページ弱の中に、いくつものヒント、アドバイスが息づいています。今すぐに必要はなくとも、枕元に置いてちょっと迷ったり困ったりしたときにパラパラ目次を眺めているだけでも置いておく価値がある1冊だと思っています。
●『生き方の研究』
森本哲郎=著/1987年/新潮社(現在、絶版で販売されていません)
大著です。天下の奇書です。それでも手元に置いておく価値が十分にある1冊です。前に紹介した『生き方の研究』は、人生をいかにして生きたか、の研究でした。しかしこの1冊は、死んだときの状況からその人の人生を振り返るという書き方で統一されています。しかも年齢別に編集されており、出版社によって多少違いますが、だいたい第1巻には10代から50歳ぐらいで亡くなった人たちのことが書かれています。そうか、天草四郎もジャンヌ・ダルクも10代だったのか、吉田松陰も夏目雅子も20代だったんだよな〜といった読み方でも、まったく聞いたことのない先人達の足跡を辿ることもできます。
明るい臨終も暗い臨終も多々載せられていますが、そうか人生というのはこんな風になっていくのか、という思いにさせられる1冊です。
●『人間臨終図巻〈新装版〉』(1〜4)
山田風太郎=著/2011年/徳間文庫/各¥686+税
読者の皆様にとっては、もう北杜夫は過去の人なのかもしれません。現在61歳の私にとっては、北杜夫の「どくとるマンボウ」と遠藤周作の「狐狸庵」は最も身近な本でした。その中でもこの『青春記』は作者が旧制高校生だったころの思い出がいっぱい詰まった名作です。熱い血潮のバンカラ(もしかしてこの言葉ももう死語なのかもしれませんね)青年だった筆者が繰り広げる学生生活は、もう戻らない時代なのかもしれませんが、その中でユーモアと「鬱勃たるパトス」(本文に出てきます!)をもって成長していく姿には、大笑いしながらも心に染み入るものがあります。どうぞ、この本は気軽に手に取ってみてください。
●『どくとるマンボウ青春記』
北杜夫=著/2000年/新潮文庫/¥550+税
板橋区立西台中学校