「不登校」のコレだけポイント
●まずは挑戦! 「不登校」理解度チェック
最初に,以下のリストで,自分の理解度チェック! チェックが入らなかった項目は,以降の解説でしっかりと学習していくようにしましょう。
2019.02.01
最初に,以下のリストで,自分の理解度チェック! チェックが入らなかった項目は,以降の解説でしっかりと学習していくようにしましょう。
不登校については,文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題について」で,その定義が示されており,年間30日以上登校しない(あるいはできない)状態を指します。ただし,病気や経済的理由による長期欠席は含みません。この定義は,教員採用試験でよく問われるので,しっかりと頭に入れておくようにしましょう。
不登校への支援で,まず押さえるべきことは「不登校を問題行動と判断しない」ということです。なぜなら,不登校は,児童生徒本人に責任があるのではなく,環境によっては誰もがなり得るものだからです。この考え方は,2016 年7月に出された文部科学省の「不登校児童生徒への支援に関する最終報告」で示されたものです。
「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では,不登校児童生徒の人数は,小中学校では14万4031 人で,前年度より1万347人増加。全児童生徒に占める割合は,2008(平成10)年以降で最多の1.5% となりました。高校では4万9643人で,前年度より1078 人増加。全生徒に占める割合は1.5%でした。
小中学校では,2012(平成24)年以降増加し続けています。高校では2012(平成24)年からは4年連続で減少してきましたが,今回は増加という結果になりました。
不登校児童生徒の人数は,近年の増減などが問われるので,校種別に大まかな傾向を押さえておくようにしましょう。
不登校児童生徒を学年別に見ると,小学校から中学校まで,学年が上がるにつれ増加し,高校では減少していきます。特に,小6から中1での増加が著しく目立ちます。これは,環境の変化になじめない「中1ギャップ」が原因と見られています。
小中学校の不登校の要因は,「不安」が33.2%,「無気力」が29.9%と,漠然としたものが半数以上を占めることが分かります。このことは,不登校は誰にでも起こり得るということを裏付けているとも言えます。また,「人間関係」を理由に挙げたケースでは,「いじめを除く友人関係」が多数を占めており,教員による学級経営の重要性も分かります。
不登校児童生徒の支援は,学校に通うことではなく,将来の社会的自立を目指して行います。そのため,学校以外の施設で学ぶことも可能です(→ P.21)。学校以外の施設では,「適応指導教室」で学ぶ児童生徒が最多です。適応指導教室とは,自治体の教育委員会が,不登校児童生徒の学びの場として,公的施設に設置する教室のことです(自治体によって名称は異なる)。あわせて押さえておくようにしましょう。