特集1 実は願書は「試験」です。合格者19人の実例公開
「民間企業のエントリーシートと違って、教採では願書で落とされることはない」。受験生の中に、こんなふうに考えている人はいませんか? 確かに教採では、事前提出した願書や面接票で「書類選考」が行われることはありません。しかし、だからといって願書をただの申し込み書類と考えるのは大きな間違いです。なぜなら、願書(面接票)は、面接試験の際に、試験官が手元に置いて、目を通しながら、質問していくものだからです。
面接本番でいくら上手に回答できたとしても、試験官の手元にある願書が適当だったら、口ばかりの人物に思われてしまいます。願書に書いたことを忘れてしまったら、熱意すら疑われてしまいます。
逆に、願書で合格を勝ち取る例もあります。面接は誰しもとても緊張するもの。しかし、願書で志望動機や自己アピールをしっかり考え抜いておけば、面接本番の質問にもぶれずに回答できます。また、合格ライン上に2人の受験生がいる場合、願書の良い受験生が受かるといったこともあり得るのです。つまり、願書は合否のカギを握る存在なのです。
とても重要な役割を果たす願書。こう聞くと、「何を書いたらよいか分からない」「書き方に自信がない」と不安になった受験生も多いでしょう。実は、プロである試験官は、願書をざっと眺めただけで、良し悪しを判断することができます。なぜなら、願書には、見るべき「ポイント」があるからです。
そこで今号では、願書の基本を押さえた上で、合格願書の実例から、「試験官の評価ポイント」を図解を交えて解説していきます。これを読めば、合格した先輩は、よく考え抜いて願書を作成していることが分かるでしょう。合格願書には「理由」があるのです。
「良いとこ取り」で合格を勝ち取りましょう!
特集2 試験に出る「人権教育」傾向と対策
今号の特集2のテーマは「人権教育」です。「人権教育」と聞くと、皆さんはどのようなものをイメージするでしょうか。おそらく、「同和問題」や「人種差別」といった、自身が学校教育で学んだ内容が思い出されるのではないでしょうか。これらは、日本が昔から抱えてきた問題。今も教員採用試験でよく問われる重要なテーマです。だからと言って、これだけ押さえておけば、人権教育の対策は十分かと言えば、そうではありません。
現代は、インターネットの発達やグローバル化の進展で、新たな人権問題が生まれています。街角でのヘイトスピーチや外国への憎悪、性同一性障害や障害者など、マイノリティの人々への誹謗中傷。現代の私たちは、こうした人権を貶める言論に囲まれながら生きています。これらの人権問題を克服していくにあたって、未来を担う子供たちを育てる学校現場は「最前線」とも言える存在です。当然、受験生は、昔からある人権教育のテーマに加え、こうした新しいテーマにも対応できるよう、準備が求められるというわけです。
今号では、こうした今の時代の時流も読み解きながら、教採で出る「人権教育」の傾向と対策を解説していきます。
直前期対策! 1トピック15分 教職教養 スグ効くドリル 〜第1回・教育原理
1次試験本番まであと半年を切りました。ここからは,できるだけ多くの問題に目を通すのが攻略のカギ。そこで今号から特別に教職教養の「肢別(あしべつ)問題」を掲載していきます。肢別問題とは,正誤判定問題の選択肢を取り出し,正誤を○×で回答していくもの。きちんと判断できるようになると,空欄補充問題にも対応できるようになります。1トピック15分を目安に演習を重ねていきましょう。
短期集中連載 書きあぐねている人のための「ズル論」講座
筆記で高得点を取り、面接もうまく行ったけど、論作文がボロボロで涙をのんだ……という人は、少なくありません。中には、論作文試験がネックとなって、毎年度合格を逃している人もいます。筆記試験のように、勉強した分だけ得点になるとは限らないのが論作文試験。いろんな対策を試したけど、効果がなくて途方に暮れている人もいることでしょう。
そんな人たちのために、『教員養成セミナー』では12月号から5回にわたり、全く新しいタイプの論作文対策法を紹介していきます。講師は、多数のメディアから執筆依頼がガンガン入る「文章のプロ」であり、長く教員採用試験対策の指導にも携わってきた教育ジャーナリスト・佐藤明彦氏。「活字が苦手!」という人は、ぜひご一読ください。