島根県教育委員会は12月23日、令和6年度(令和5年=2023年実施)島根県公立学校教員採用試験のアウトラインを公表した。
令和6年度試験の試験日程については、一般選考試験の1次試験は7月8日(土)、2次試験は8月19日(土)〜27日(日)にかけて行われる。特別選考試験は5月の大型連休期間に実施する。合格発表は特別選考試験が5月18日(木)、一般選考試験については1次が7月26日(水)、最終(2次)の合格発表は10月4日(水)にそれぞれ行われる。
また、募集人数はおおむね前年度(募集人数:312名)並みの人数を予定している。
令和6年度試験での主な変更点は下記の通り
①募集区分の新設(「島根創生特別枠」「第84回国民スポーツ大会(愛称:島根かみあり国スポ)競技力向上枠」)
「島根創生特別枠」(小学校・特別支援学校小学部対象)は、島根県が策定した県政運営の指針 「島根創生計画」 の施策の一環として行われ、中長期的に実施予定としている。
対象となるのは、島根県内の国公私立高等学校(松江高専を含む)・特別支援学校高等部を卒業した島根大学(大学院を含む)または島根県立大学の在籍者で、当該大学の学長から推薦を受けた者で、島根県公立学校教員となることを第一志望とし、令和6(2024)年4月1日付けで島根県公立学校に勤務できる者で、試験内容は1次試験は論述のみ、2次試験は面接のみとなる。
「第84回国民スポーツ大会(愛称:島根かみあり国スポ)競技力向上枠」(中学校・高等学校・特別支援学校の「保健体育」が対象。なお、対象となる競技種目については募集要項で発表)は、令和12(2030)年に実施される第84回国民スポーツ大会(現:国民体育大会)「島根かみあり国スポ」 に向けて、競技力向上を図るのを目的に実施される。国際規模の競技会等に日本代表選手として出場した競技者またはその指導者、もしくは全国規模の競技会等において4位以上の成績を収めた競技者またはその指導者が対象で、試験内容は1次試験は論述のみ、2次試験は面接のみとなる。
②出願要件等の変更
中学校および高等学校(情報受験者を除く)を第1志望で受験する場合に、下記の組み合わせにおいて、第2志望となる校種・教科の普通免許状を保有している場合には、併願を可能とする。
ア:第1志望:中学校教諭 → 第2志望:小学校教諭
イ:第1志望:中学校教諭(技術・家庭受験者以外)→ 第2志望:中学校教諭(技術・家庭)
ウ:第1志望:高等学校教諭(情報受験者以外)→ 第2志望:高等学校教諭(情報)
また、小学校「英語枠」の出願要件について、中学校の「英語」普通免許状所有者等のほか、CEFR B2相当(英検準1級程度)以上の英語力を有する者や、高い英語指導力があると認められる者(1次試験前に口頭試験で判断)の受験を可とするほか、高等学校「社会人を対象とした選考(特別免許状による採用)」の対象教科として、従来の「農業」「工業」「商業」「水産」に加えて、新たに「情報」を追加するほか、出願要件についても緩和(出願する教科以外の高等学校教諭普通免許状所有者も対象)する。
③受験機会の確保
2次試験の県外の試験会場について、小学校限定で、新たに「東京」「大阪」会場を追加する(1次試験での県外会場〈東京・大阪〉は従来通り全校種・職種で実施)。また、2次試験において新型コロナウイルス感染や災害などのやむを得ない事情により受験できなかった者を対象とした追試験を引き続き設定する(令和6年度試験では2023年9月10日〈日〉に実施予定)。
④受験上の特例措置
新たに前年度の島根県教員採用試験の「繰り上げ登載候補者」で名簿登載にならなかった者に対して、1次試験の全部を免除する。また、石見・隠岐地域限定受験者(小学校、中学校が対象)のうち「令和5年5月1日現在で石見・隠岐地域の公立学校に常勤の講師等として勤務している者(現職)」「石見・隠岐地域の公立学校で常勤の講師等として通算1年以上の勤務経験がある者」「出願時の勤務校が所在する市町村教育委員会の教育長から推薦を受けた者」については、1次試験の一部を免除(※)するほか、1次試験に加点する。
このほか、島根県内外の国公立学校に常勤・非常勤の講師等として、令和5年5月1日現在で通算1年以上勤務している者(現職)については、1次試験に加点する(加点の点数は常勤と非常勤で異なる。なお、常勤の場合には、前年度の島根県公立学校教員採用試験の1次試験合格者〈2次試験受験対象者〉であれば1次試験の一部免除(※)の対象となる)ほか、過去に島根県内外の国公立学校の正規採用の教員として3年以上(休職、育児休業等の期間を除く)勤務していた者について、小学校・中学校・特別支援学校を受験する場合には、1次試験の一部免除(※)と1次試験の加点を、高等学校・養護教諭・栄養教諭を受験する場合には1次試験への加点を、それぞれ行う。
(※)1次試験の一部免除=教職教養と専門教養が免除され、論述試験のみを実施する
⑤第84回国民スポーツ大会(愛称:島根かみあり国スポ)に向けた指導者等への特例(1次試験への加点)
「島根かみあり国スポ」で実施される競技を対象に、国際規模の競技会等(※1)に日本代表として出場、または全国規模の競技会等(※2)において8位以上の成績(※3)を収めた競技者またはその指導者を対象に実施する(加点の点数は日本代表・全国4位以上と全国5〜8位で異なる)。
(※1)国際規模の競技会等=オリンピック・パラリンピック、ユニバーシアード、アジア競技大会および原則としてオリンピック実施競技を総括する国際競技連盟が主催する世界選手権大会等
(※2)全国規模の競技会等=国民スポーツ大会(国民体育大会)および(公財)日本スポーツ協会または(公財)日本オリンピック委員会の加盟団体が主催または後援する全日本選手権大会等。ただし、教職員大会等の出場者の職種等を限定するものや地方大会、親善大会等を除く
(※3)令和5年度試験では陸上競技、ホッケー、ソフトボールの各競技を対象に「4位」以上の成績として実施。加点は10点
【参考:令和5年度(令和4年度実施)島根県公立学校教員採用候補者「一般選考試験」実施要項内の「第84回国民スポーツ大会(2030年に島根県で開催予定)に向けた指導者等への特例」より。なお、実績については、競技者としての実績については、過去5年程度の期間で、かつ高等学校卒業後に正選手(当該大会に選手登録された者)として出場したもの。指導者としての実績は、過去5年程度の期間に当該競技指導における監督・コーチとして出場したものに限る、としている】
⑥選考にあたって考慮する事項(1次試験への加点)の追加
新たに「大学等卒業後から継続して3〜10年間、民間企業等に勤務している者(出願する校種・教科の免許状所有者に限る)」を追加する。
⑦特別選考試験に関する変更
出願資格(対象者)のうち、勤務期間の条件について、他県の正規現職教員については、島根県外の国公立学校に正規採用(任期付採用を除く)の教員として5年以上(休職、育児休業等の期間を除く)の勤務経験を有する者(現職)としていたものを3年以上(休職、育児休業等の期間を除く)に。正規教員経験者については、島根県内外の国公立学校で正規採用(任期付採用を除く)の教員として、直近6年以内で3年以上(休職、育児休業等の期間を除く)勤務していたものにそれぞれ変更する。
また、対象区分(募集教科)については「小学校」「中学校(全教科)」「高等学校(農業・工業・水産・情報)」と「特別支援学校(小学部)」となり、前年度(令和5年度)に募集のあった高校「家庭」と「養護教諭」および特別支援学校の中学部と中学・高等部は対象区分から外れている。
なお、令和6年度試験の募集要項については、特別選考は3月3日(金)から、一般選考については4月14日(金)からそれぞれ配布を開始。変更点についての詳細は各要項にて示すとしている。
【12/28更新】島根県教育委員会は、12月26日(月)に松江市と浜田市で開催した「島根県公立学校教員募集セミナー」の中で説明した、島根県公立学校教員採用試験のアウトライン(概要)の動画を島根県の公式YouTubeチャンネル「しまねっこCH」にて公開を開始した。
https://youtu.be/dwxFN0SYM8A
島根県教育委員会・令和6年度島根県公立学校教員採用試験のアウトライン(PDF)
https://www.pref.shimane.lg.jp/admin/syokuin/saiyou/saiyou_info_tchr/index.data/R6outline.pdf