京都市教育委員会では、潜在教員等の人材確保に向けた「教職スタートパッケージ」の創設や、正規教員の採用前倒しなど、京都市立学校の教員確保に向けた緊急対策の実施について公表した。
全国的に教員不足が課題となっている中、京都市でも講師の担い手不足や「仕事と子育て両立支援プラン」の推進による育児制度利用者の増加などを背景に、学校現場で代替の教員が入らない、教員不足の現象が生じており、担任を持たない教務主任等が担任業務や授業を担っている状況にあることから、令和5年度9月補正予算などを活用して実施する。
緊急対策による実施内容は以下の通り。
①「教職スタートパッケージ」の創設
→教員免許状を取得しているが現在教職に就いていないといった、いわゆる潜在教員等の人材確保に向け、教職に就く際の不安を軽減する目的で創設する。
主な内容として「いつでも・どこでも・誰でも視聴できる教職に就くにあたっての説明動画の配信」や「京都教師塾との連携による、講師登録者のうち、希望者に対する特別講座の無料視聴や就業にあたっての相談の実施」「任用後1週間程度を校内での業務準備や授業補助等を担う期間とする「教職スタート業務期間」の設定」などを行う。
あわせて、教員の担い手確保に向けて、求人サイトへの掲載や市バス・地下鉄の車内広告の活用、専用ホームページの新設など、情報発信を大幅に強化する。
②正規教員の採用前倒し
→今年度実施の教員採用選考試験において、教員不足解消につながる合格者のうち若干名を令和6(2024)年4月1日より前倒して採用する。最短で本年10月1日からの採用を想定する(当初予算での対応)。
③校務支援員の追加配置
→京都市ではすべての学校・幼稚園に、教材の準備・コピーなどの教員の業務補助や、電話対応や消毒などの校務の一部を受け持つ校務支援員を配置して教員の負担軽減に取り組んでいるが、現在、教員不足が生じている学校では、教務主任等が担任業務や授業を担っている場合が多いため、教務主任等の本来業務に関する事務作業等の負担軽減を行うことを目的に、教員免許不要の校務支援員を大幅に追加配置する(50校程度)。
京都市教育委員会・【広報資料】京都市立学校の教員確保に向けた緊急対策について
https://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/page/0000317202.html