2025.09.08

教育ニュース

情報教育拡充、授業時数を弾力化 次期学習指導要領の方向性示す―中教審で論点整理素案・文科省

【教育ニュース】文部科学省は9月5日、学習指導要領の全面改定に向け議論している中央教育審議会(文科相の諮問機関)の特別部会で、これまでに出た意見をまとめた「論点整理」の素案を提示した。標準授業時数の弾力化や、中学校に新教科「情報・技術科(仮称)」を創設するなど、今後の議論の方向性が示された。

素案は(1)「主体的・対話的で深い学び」の実装 (2)多様な子どもの包摂 (3)過度な負担を避け実現可能な制度とすること― を柱に掲げた。「1人1台」の端末などデジタル学習基盤の活用が不可欠とし、新教科の創設などで小中高校の情報教育を大幅に拡充させる考えを打ち出した。

不登校など多様な特性・背景の子どもに寄り添うため、特別な教育課程を編成可能にしたり、学年区分を柔軟化したりする必要があると指摘。教員や子どもに過度な負担が生じないよう、教科書内容の精選などで余裕をつくり、持続可能な制度とすることも強調した。

学校側の裁量も拡大させ、小中学校の判断で、特定教科の授業時数を削減可能にする「調整授業時数制度」の導入を提案。浮いた時間を他の教科に上乗せできるほか、「裁量的な時間(仮称)」を設けて、子どもの特性に応じた学習支援や、教員の研修などにも充てられるようにしたい考えだ。

特別部会で論点整理が終わると、議論の主体は教科・科目ごとに設けられたワーキンググループに移行。中教審は2026年夏ごろまでに一定の結論を取りまとめ、同年度中の答申を目指す。新要領に基づく授業の全面実施は、小学校が30年度、中学が31年度、高校が32年度以降となる見込み。


情報教育拡充、授業時数を弾力化 次期学習指導要領の方向性示す―中教審で論点整理素案・文科省(時事ドットコム)
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