政府が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に提案していた「来訪神 仮面・仮装の神々」 について、事前審査を行うユネスコ評価機関は24日、登録するよう勧告した。11月26日からモーリシ ャスの首都ポートルイスで開催される政府間委員会で正式決定される見通し。 来訪神が無形文化遺産に決まれば、2016年の「山・鉾・屋台行事」以来で、国内における無形文化遺 産は計21件となる。 来訪神は、「男鹿のナマハゲ」(秋田)など神の使いに仮装して正月などに家々を訪ね、怠け者を戒めた り、厄払いや無病息災を願ったりする10の行事で構成。各地で伝承され、世代を超えて受け継がれてい る。いずれも国指定重要無形民俗文化財に指定されている。 政府は11年、ナマハゲを単独で提案したが、既に登録済みだった「甑島のトシドン」(鹿児島)との類 似性を指摘され登録が見送られた。16年にトシドンを拡張する形で一括提案したが、この時は各国から審 査件数の上限を超える提案があったため、過去の登録件数が多い日本の審査は1年先送りされ、昨年再提案 していた。 10行事は次の通り。 吉浜のスネカ(岩手県大船渡市)▽米川の水かぶり(宮城県登米市)▽男鹿のナマハゲ(秋田県男鹿市) ▽遊佐の小正月行事(山形県遊佐町)▽能登のアマメハギ(石川県輪島市・能登町)▽見島のカセドリ(佐 賀市)▽甑島のトシドン(鹿児島県薩摩川内市)▽薩摩硫黄島のメンドン(同県三島村)▽悪石島のボゼ (同県十島村)▽宮古島のパーントゥ(沖縄県宮古島市)。