文部科学省は14日、高校の学習指導要領改定案を公表した。
日本と世界の近現代史を合わせて学ぶ「歴史総合」や、選挙権年齢の18歳以上への引き下げを受けた主権者教育を含む「公共」を新設するなど科目を大幅に再編。
討論や発表などを通じ、自ら問題を見つけて解決する力を育成する「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)を全教科で導入する。
文科省は3月15日まで意見を公募し、年度内に次期指導要領を告示。2022年度から順次実施する。
小中学校は昨年3月に告示され、小学校は20年度、中学校は21年度から全面実施される。
高校の指導要領の全面改定は09年以来。現行の大学入試センター試験に代わり、20年度から始める「大学入学共通テスト」など大学入試改革と一体となった教育改革を通じ、生徒による理解の質の向上を目指す。
卒業に必要な単位数は現行と同じ74。教育内容は削減せず、「脱ゆとり教育」路線を継続した。歴史総合、公共のほか、環境や防災などを含めた現代の地理的諸課題を学ぶ「地理総合」を必修科目、数学と理科にわたる課題を生徒が主体的に決めて研究する「理数探究」を選択科目として新設する。
プログラミングや情報セキュリティーを含む新科目「情報I」は必修となり、小中高校を通じてプログラミング教育が必修化される。
英語は、「聞く・読む・話す・書く」力を総合的に育成する「英語コミュニケーションI・II・III」と「話す・書く」の発信力強化を目指す「論理・表現I・II・III」に再編。
小学5、6年の英語の正式教科化などもあり、高校卒業までに学ぶ英単語は現行の3000語程度から4000~5000語程度に増える。