子供たちが書いているのは
日本の水産業を助ける「企画書」
「大胆だねぇ」
面白そうに笑う前田先生は、
どんな企画を見つけたのでしょう
2018.11.22
子供たちが書いているのは
日本の水産業を助ける「企画書」
「大胆だねぇ」
面白そうに笑う前田先生は、
どんな企画を見つけたのでしょう
一つは、子供たちが楽しいと思える授業をすることです。楽しい授業は、子供たちの「もっと知りたい」という気持ちにつながります。当然のことではありますが、難しいことですので、常に意識するようにしています。もうーつは、子供同士の対話の機会を設けることです。私は、つい自分ばかりが話しをする授業になりがちだったので、グループで話し合ったり子供同士で教え合ったりする活動を積極的に取り入れるようにしました。こうした活動は、「主体的・対話的で深い学び」という視点からの授業づくりにもつながっていると思います。
授業はこだわりを持ってつくっています。例えば、専門としている社会科、日本の漁業を扱う単元では、漁港に行って色々と見学をしてきたことを生かして授業をつくりました。教師が実際に経験することは大切ですし、写真などの掲示物や映像を使うことで、子供たちにも実感が伴う授業をすることができます。すべての教科で徹底してこだわることは難しいのですが、「できるだけ」という気持ちで取り組んでいます。
自由な発想、発言が生まれる学級です。子供たちがお互いを知り、認め合う環境がなければ自由な発想・発言は受け入れられず、生まれてもきません。そこで、度々席替えをして、子供たちが広くコミュニケーションを取る機会を意識的に作っています。「こんな風に話したら、もっとよく伝わるよ」などと、話し方・伝え方のアドバイスをすることもあります。もちろん、友達の良い点を認めるような発言があったら、すかさず褒めることも心掛けています。
子供を褒めるのは、とても大切です。そのタイミングを逃さないためには、子供たちに関心を寄せることが必要です。もっとも、子供たちは一人一人個性的で面白いですから、関心を持って向き合うのは難しいことではないと思います。教師が関心を持って接していると、子供たちは教師の反応を楽しみに、さまざまな行動をするようになります。そうなると、褒めるべき場面も見つけやすくなります。
性格上、先の見えない状態で何かを始めることが苦手なので、初めてのことに取り組むときは、いつも大変です。当然初めてのことばかりだった初任者のときは、大変でした。不安なことや分からないことは、その都度、同僚や先輩の先生方に相談し、周囲の助けを借りて一つーつ乗り越えていきました。
今年、教職4年目を向かえ、少しずつ余裕もできてきました。それでも、「こんなことをしようと思うけど、どう思いますか?」など、よく周囲に相談をしています。相談することで、学級の情報を周囲の先生方と共有することになりますし、自分を知ってもらうことにもつながります。自分を知ってもらえれば、何かがあったときに助けてもらえるだけでなく、助けることもできるようになると考えています。子供同士や教師と子供の間はもちろん、 教師間においてもお互いを知るために、コミュニケーションは大切です。
学校現場を知っておくと良いと思います。学校には独特の習慣があったり、一般的には使われていない言葉(造語)があったりします。例えば、「ホキョウ」という言葉。担任が出張などで外出するとき、代わりに授業をしてくれる教員(「補教」)のことですが、初めて聞いたときには何のことか分かりませんでした。
それでも私の場合、初任者として赴任する前、1年間の講師経験が、学校現場に慣れ、担任を持つ心の準備をするための期間になりました。しかし、大学卒業後すぐに初任者として担任を持つような場合は大変です。ただでさえ、初めてのことばかりの初任者には、小さなことでも心の負担になったりします。学校ボランティアなどで少しでも学校現場に慣れておけば、余裕が生まれるかもしれません。
また、「教師になったらやってみたいこと」をイメージしておくことも大切です。実際に学校現場に出てみると、イメージ通りにならないこともあると思いますが、イメージしたことは決して無駄にはなりません。周囲の人たちとのコミュニケーションを大切にしながら、「やってみたいこと」に向け一生懸命、向き合っていれば、助けてくれる人、背中を押してくれる人は必ず出てくると思います。