だから願書は重要だ! ― 願書が果たす3つの役割―
そもそも,採用する側は,願書をどのように選考に活用しているのでしょうか。
まずは,教員採用試験における願書の果たす役割について見ていきます。
2019.02.25
そもそも,採用する側は,願書をどのように選考に活用しているのでしょうか。
まずは,教員採用試験における願書の果たす役割について見ていきます。
受験生の多くは,教採の合否は,筆記試験と面接試験,論作文の得点で決まると思っています。民間の就職活動と違って,願書段階で「足切り」されることはないため,あまり時間をかけずに願書を作成し,提出する人がいます。
しかし,これは大きな間違いです。教採に合格するためには,最初に「徹底的に練り込んだ願書」を書くことが何よりの近道なのです。
今,教員採用試験は,「人物重視」の傾向が強まっており,面接試験に重きを置く自治体が増えています。面接では,試験官の手元に願書(面接票)があり,そこに書いてあることを中心に,質問されます。緊張する場面で,ろくに深く考えもせずに書いた願書から質問されて,きちんと答えられるでしょうか。
試験官は経験豊かなプロです。「なぜ小学校を志望するのですか?」「なぜ本県を志望するのですか?」「部活動経験から学んだことは何ですか?」といった質問を繰り返し問います。願書に書いてあることと話していることが違ったら,教職への熱意そのものを疑われかねません。願書から試験が始まっていると心得,とことん時間を使って考え抜くことが必要なのです。
一般的に,面接試験は,「第一印象」でほぼ決まるとも言われます。そのため,受験者は,身だしなみに一生懸命気を使います。教採の面接も同じですが,実は,受験生の第一印象を決めるのは,本人ではなく,願書という場合もあるのです。
試験官は非常に多数の受験生を選考するため,あらかじめじっくり願書に目を通しておく余裕はありません。面接試験で,受験生が部屋に入室してくるまでのわずかな時間で,ざっと大急ぎで目を通します。その際,写真や筆跡,大まかな内容などから,受験生の人柄を思い描きます。その印象が良ければ,面接は「プラス」の状態からスタートできます。しかし,印象が悪ければ,面接は「マイナス」の状態からスタートしなくてはなりません。つまり,面接のスタートダッシュを決められるかは,願書にかかっているのです。
あなたの「分身」だという意識をもって,願書を作成しましょう。
近年は,事務手続の効率化を目的として,出願手続をネット経由でする自治体も増えています。しかし,その場合でも,1次試験合格後に,手書きの面接票などを必要とすることがあります(東京都など)。
面接票も,願書同様に重要な書類ですので,ここで解説していることを心がけ作成してください。
なお,募集要項と願書は,3~4月にかけて各自治体から配布されます。そこには,自治体の求める教師像や受験資格,試験内容,スケジュールなどの重要な情報が載っています。前年度から変更になっている可能性もあるので,早めに入手し,熟読するようにしましょう。