2019.02.25

これが願書の鉄則だ! ― 合格願書の書き方6つのコツ―

これが願書の鉄則だ! ― 合格願書の書き方6つのコツ―

ここまで見てきた通り,願書は,その後の試験のベースとなるものです。では,どうすれば,合格する願書を書くことができるのでしょうか。そのコツを,伝授します!

コツ③ 「経験」を教師として「どう生かすか」を書く

 ボランティア活動,部活動,サークル活動,留学,検定など,さまざまな活動をしてきた受験生は,そうしたことを全面的にアピールしたいと考えていることでしょう。もちろん,経験したことは,積極的にアピールするのが得策です。ただし,気をつけたいことがあります。それは,経験を単純に羅列しただけでは,何の評価も得られないということです。
 受験生が,学生時代に豊富な経験をしたからといって,実際に子供たちを指導できるかどうかは,まったく別の話です。試験官が知りたいのは,受験生が,そうした経験を,学校教育の現場でどのように生かそうとしているのかということなのです。「経験」について触れる際は,「教師としてどう生かすか」という視点とセットで記述することが大事です。

コツ④ 「実績」は,伝え方の「切り口」を工夫する

 ある活動ですぐれた実績を願書に書く場合は,記載の仕方に工夫が必要です。例えば,「学園祭の実行委員長を務め,多数の動員を実現。大成功に導いた」と記述した場合,まるで一人で成功したかのようで,傲慢な印象の上,どう成功したのかもあいまいです。一方で,「学園祭の実行委員長として5人の仲間と協力し,前年を1500 人上回る動員を実現。仲間からリーダーシップを評価された」と記述した場合はどうでしょうか。仲間をまとめた姿や,成功の根拠も数値で見えます。「実績」を記述する際は,書き方の「切り口」を工夫するようにしましょう。

コツ⑤ 「成功例」だけでなく「失敗例」も入れる

 受験生の中には,自分がいかに優れているかをアピールするために,自身の長所だけを並べる人もいます。気持ちは分かりますが,そんな完璧な人間はいません。試験官にとっては,どこか傲慢で,虚勢をはっているように見えます。
 そうしたことを避けるため,願書では,失敗例とともに,そこから学んだことを織り交ぜると,より説得力が増します。大切なのは,失敗から学べる人間であることを示すこと。試験官は,謙虚でありながら,向上心を持つ人物を評価します。

コツ⑥ 自治体の求める教師像を盛り込む

 最後に,願書を書く上で最も大切なコツをお伝えします。それは,自治体の「求める教師像」を願書に盛り込むことです。
 民間企業の就職活動でも,エントリーする企業の理念や求める人材については,必ず目を通します。入社後のミスマッチは,採用側にとっても,採用される側にとっても不幸になるだけだからです。
 教員採用試験もこれと同じです。どんなに熱心に教員になりたいとアピールしても,採用する側が「この受験生は本県の教育を理解していない」「本県に向かない」と判断すれば,合格することはできません。
 大切なのは,教職への熱意とともに,冷静に,自治体の「求める教師像」と自身の接点を探し出し,論理的に結びつけて記述することです。志望動機については,この点を心して,記述するのが,合格への近道です。