法律用語のモヤモヤにはワケがある! 試験に出る教育法規 スッキリ解説!
難解な教育法規の用語には「訳」がある!
なぜ、そんなモヤモヤする「言い方」をしているのか、分かりやすく解説します!
2019.08.02
難解な教育法規の用語には「訳」がある!
なぜ、そんなモヤモヤする「言い方」をしているのか、分かりやすく解説します!
「教育を受ける権利」とは,憲法第26条第1項に基づき,次代を担う子供たちに,ひとしく保障されている教育上の権利であり,基本的人権の一つです。この「教育を受ける権利」の規定を受けて,教育基本法第4条第1項においても,「すべて国民は,ひとしく,その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならない」と定め,教育の機会均等の原則を明らかにしています。したがって,いじめにより,いじめを受けた児童等の教育を受ける権利が侵害されるということは決して許されないことなのです。
「いじめの防止等」とは,いじめ防止対策推進法第1条において,①いじめの防止,②いじめの早期発見,③いじめへの対処の3つとされています。なお,「いじめの防止等のための基本的な方針」については,国と学校には策定義務(同法第11条・13条)が,地方公共団体には策定の努力義務(同法第12条)が課されています。
いじめ防止対策推進法第2条では「いじめ」について,児童等が学校の内外を問わず,一定の人的関係にある者から,心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)を受けたことにより,心身の苦痛を感じているものと定義しています。なお,個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は,表面的・形式的にすることなく「心身の苦痛を感じている」という,いじめられた児童等の立場に立って判断することが求められています。
いじめに関する学校や教職員の責務とは,いじめ防止対策推進法第3条の「基本理念」にのっとり,学校全体でいじめの防止・早期発見に取り組むとともに,いじめが疑われたら適切かつ迅速に対処することです。
いじめは,その事実確証がない場合でも,ささいな兆候が見られた段階,いじめが疑われた段階で,適切かつ迅速な対応を取る必要があります。いじめ防止対策推進法第8条における「いじめを受けていると思われる」とは,そのために規定されている言葉です。