テーマ解説
学校管理下での児童生徒の事故が後を絶たない。各自治体も学校安全を重視している上に、2017年3月に「第2次学校安全計画」が発表されたばかりであるため、2018年夏実施試験での出題が目立った。学校安全については、教員になってからも即必要となる知識であるため、しっかり頭に入れておきたい。
2018.08.24
学校管理下での児童生徒の事故が後を絶たない。各自治体も学校安全を重視している上に、2017年3月に「第2次学校安全計画」が発表されたばかりであるため、2018年夏実施試験での出題が目立った。学校安全については、教員になってからも即必要となる知識であるため、しっかり頭に入れておきたい。
学校安全は、主に「学校安全の推進に関する計画」から出題されます。同計画は、学校保健安全法第3条第2項に基づき、国が策定する計画で、2012年度から2016年度には第1次計画が実施されました。この第1次計画では、東日本大震災の影響を踏まえ、児童生徒が自らの命を守るために主体的に行動する態度を育成することの重要性を示しています。しかし、いまだに十分ではない上に、学校安全に対する意識、取り組みなどに地域間格差が見られています。
2017年3月から5年間の予定で実施されている第2次計画では、こうした現状を指摘しつつ、12の目標を定め、各学校での取り組みを促しています。以下は、同計画の概要版の記述です。新しい資料はよく問われるので要チェックです。
学校安全を推進するための方策には、次の5つの内容が示されています。
次の各文は、「第2次学校安全の推進に関する計画」(平成29年3月24日閣議決定)に関する記述である。正しいものを○、誤っているものを╳としたとき、正しい組み合わせを選べ。
ア)平成21年の学校保健安全法の施行により、学校は、安全マニュアルや危険等発生時対処要領の策定が義務付けられるとともに、警察、消防等の関係機関との連携に努めることとされ、地域との連携・協働も促進されてきた。
イ)安全に関する課題は、就学前の幼児や小学生だけに限られる問題であり、中学生や高校生の年代においてはあまり課題が生じていないので、幼児や小学生を取り巻く多様な危険を的確に捉え、地域特性に応じた取組を幼稚園、保育園、小学校を中心に推進する必要がある。
ウ)安全教育や安全管理、家庭・地域と連携・協働した学校安全の推進に関し、地域間・学校間・教職員間に差があり、継続性が確保されていない。特に、法律上の義務である学校安全計画及び危機管理マニュアルをいまだ策定していない学校があることは極めて問題である。
エ)学校施設は、児童生徒等の学習・生活の場であり、その安全性を確保することは極めて重要である。加えて、地域のコミュニティの拠点であり、災害時には避難所ともなるので、東日本大震災以降の教訓を踏まえ、耐震化及び防災機能の強化が推進されてきたところである。
① ア:○ イ:○ ウ:╳ エ:╳
② ア:╳ イ:○ ウ:○ エ:╳
③ ア:○ イ:╳ ウ:╳ エ:○
④ ア:╳ イ:○ ウ:╳ エ:○
⑤ ア:╳ イ:╳ ウ:○ エ:○
●【解答】⑤
ア:「安全マニュアル」ではなく「学校安全計画」が正しい。同計画「Ⅰ 児童生徒等の安全を取り巻く現状と課題」「1. 学校安全に関するこれまでの取組」を参照。イ:「安全に関する課題は、就学前の幼児や小学生だけに限られる問題ではなく、中学生や高校生の年代においても様々な課題が生じていることから、児童生徒等を取り巻く多様な危険を的確に捉え、児童生徒等の発達段階や学校段階、地域特性に応じた取組を全ての学校種において推進する必要がある」とされている。同計画Ⅰの「2. これまでの取組を踏まえた課題」を参照。その他の選択肢は、ウ:同計画Ⅰの「2. これまでの取組を踏まえた課題」、エ:同計画「Ⅱ 今後の学校安全の推進方向生」「2. 施策目標」「(3) 学校の施設及び設備の整備充実」を参照。