「I can swim」「アイ キャン スイム」
関先生のきれいな発音に子供たちが続きます。
歌やゲームを取り入れた「外国語」の授業。
「I can ○○」「I can't ○○」
カギとなるフレーズを何度も繰り返すうち、
子供たちの発音は次第に先生に似てきます。
2018.11.01
「I can swim」「アイ キャン スイム」
関先生のきれいな発音に子供たちが続きます。
歌やゲームを取り入れた「外国語」の授業。
「I can ○○」「I can't ○○」
カギとなるフレーズを何度も繰り返すうち、
子供たちの発音は次第に先生に似てきます。
元々なりたいと考えていたのは中学校の英語教師で、大学時代に取得した免許も中高英語です。最初の教員採用試験も中高英語で受験しました。ところが合格することができず、大学卒業後、講師として働くことを考えていたとき、中学校ではなく小学校で働いてみないかと声を掛けていただいたのです。
英語や算数のTT(チームティーチング)に入る形で小学校での勤務を始めると、担任を持っている先生方から、「ALT(外国語指導助手)と一緒に行う授業の収集がつかなくなる」といった相談を受けるようになりました。どんなことをしているのだろうと授業見学をしたとき、「担任が変われば、子供たちはもっと英語を好きになってくれるんじゃないか」と感じたのです。発音や知識が問題だったのではありません。それらはもちろん大切ですが、何より問題に感じたのは、担任の先生が英語が好きではないことが伝わってきてしまったことです。英語の免許を持っている小学校の先生はあまりいません。苦手意識のある先生も多いのかもしれません。指導をする先生のそうした気持ちに、敏感な子供たちが気付かないわけがないのです。
未来の国際人を育てるためにも、小学生に英語を好きになってもらうことは大切だと考えるようになり、通信大学で小学校の免許を取得。改めて教員採用試験を受験し、小学校教師になりました。
子供たちができることと、できないことのギリギリのラインを見極め、「もうちよっと頑張ればできる」レベルの授業を心掛けています。担任している5年生の学級には36人在籍しているのですが、全員がすぐにできる、すぐに分かるような授業でなくてもいいと思っているのです。学級の25人ができるようになれば、残りの11人に対して子供たち同士で教え合い、学びを深める機会をつくることになるからです。
そのラインの見極めは難しいのですが、授業の中で「分かんない!」と声を上げてくれる子がキーパーソンになります。そうした声が上がったときには、「実は私も…」という表情をしている子がどのくらいいるか、しっかり見るようにしています。
最終的には全員が「分かった」という達成感を得られるようにするためにも、「分かんない」という声が上がったときは、教師としての指導のチャンス。子供たちには、分かった振りをせず自由に声を上げてもらうため、「分からないことは、何回聞いてもいいよ」と伝えています。
子供たちの発達段階に合わせた対応です。例えば厳しい指導をするとき。子供たちに必要な「厳しさ」は、低学年と高学年では異なります。その時々の子供たちに必要な指導や対応を心掛けています。
ー方で、高学年の子供たちには、「中学生として接するからね」と言っています。今年度担任している5年生にも年度初めに、「5年生を5年生として接していたら、6年生になったとき(6年生としての振る舞いができなくて)困らない? 6年生は中学としての準備を始めるんだから、もう今から中学生として接する」と伝えました。本来より少し上の年齢だと思って接すると宣言すると、子供たちはその期待に応えようとしてくれます。もちろん、頑張ってもできないことはありますし、失敗することもありますが、それを責めたりはしません。ただ、教師が期待を持って接すると、その分、子供たちが成長することは実感しているので、初めから「できないだろうな」と思って接して、子供たちの成長の芽を摘んでしまうことがないように注意しています。
私の現任校は、ささいなことでも相談し合える同僚や先輩方がいる、チーム力の高い学校です。嬉しいこともトラブルも、教職員全員で共有して対応できる教職員のチーム力は、子供たちに適切な対応をするために不可欠です。
とはいえ、私も初任者として赴任したばかりの頃は、同期の先生たちより年上だったこともあり、なかなか周囲に助けを求められませんでした。状況を察した先輩たちから何かと声を掛けていただき、ずいぶん助けられました。どの学校にも、初任者に気を掛けてくれる先輩教師はいると思います。これから教師になる人には、一人で抱え込まずに相談し、チームで動くことの大切さを知っておいて欲しいと思います。
ただし、単に「できません」ではダメです。ピンチはチャンス。周囲へ相談するときは、「どうしたら良いですか?」と前向きに向き合う姿勢を見せることが大切です。