では,ここからは,2019年夏に問われる可能性が高い答申・資料を見ていきましょう。本特集では,短時間で効率学習できるよう,膨大な資料のうち,出やすいもの,かつ,出やすい記述だけをピックアップしています。
2019.04.18
では,ここからは,2019年夏に問われる可能性が高い答申・資料を見ていきましょう。本特集では,短時間で効率学習できるよう,膨大な資料のうち,出やすいもの,かつ,出やすい記述だけをピックアップしています。
■「日本型教育」のよさを維持・向上させる
「働き方改革」を理解する上でまず押さえておかなくてはいけないのは,教員の負担を減らすのが「最終的な目的」ではないということです。もちろん,教員の過重な業務の負担軽減は必要と指摘されていますが,その目的はあくまでも「持続可能な学校教育の中で教育成果を維持し,向上させる」という点にあります。
■「チームとしての学校」の機能を強化する
答申では,働き方改革には「チームとしての学校」を強化する目的もあると指摘されています。「働き方改革」の実現のために,これまで教員が担っていた業務の一部を,学校外の専門家が行うことが求められています。子供の心理や社会福祉の支援は,教員よりもスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどが行う方が高い効果が見込まれます。働き方改革の実現通じて,こうした専門家が「チームとしての学校」に加わることで,より充実した支援ができるようになると期待されています。
■試験でもっともよく問われる重要箇所
答申では,働き方改革の目的を実現するために,これまで学校が担ってきた業務を,①「基本的には学校以外が担うべき業務」,②「学校の業務だが,必ずしも教師が担う必要のない業務」,③「教師の業務だが,負担軽減が可能な業務」に分類しています。試験においては,この3つの分類を問う問題が最頻出です。この表は暗記をして,確実に押さえておくようにしましょう。
2020年度から順次実施される新学習指導要領において,教員は児童生徒の学習をどう評価すべきかを議論してきた中央教育審議会の報告。学習評価の基本的な考え方と具体的な改善の方向を示している。
■子供の学習状況を評価し,教育課程の改善を図っていく
学習評価は,子供たちの学習の成果を捉え,教員が指導の改善を図るとともに,子供たちが自分自身の学びを振り返り次の学びに向かうことができるようにする上で,重要な役割を果たします。新学習指導要領の方向性を定めた中央教育審議会の答申「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」(→ P.20)は,この点を指摘し,学習評価を教育課程や学習指導の改善に発展・展開させるカリキュラム・マネジメントの中核と位置付けています。
■「観点別評価」「評定」「個人内評価」で評価する
この報告では,各教科の学習評価は,学習状況を分析的に捉える「観点別評価」と,その結果を総括する「評定」,さらに観点別評価と評定では捉えきれない個人のよい点や可能性などを「個人内評価」で示すとしています。このうち,観点別評価は新学習指導要領で育成を目指す3つの資質・能力(知識及び技能,思考力・判断力・表現力等,学びに向かう力・人間性等)に沿って,「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で行うとされました。こうした学習評価の仕組みを示したのが下の図で,試験でも問われる可能性があるので,押さえておきましょう。
児童生徒の心の問題が複雑化する中,教育相談の充実を図るために出された資料。膨大な内容であるが,試験に出るところは第2章の「第2節 SC及びSSWの職務内容等」が中心である。
■心理の専門家としての仕事内容
SCは,心理学に関する高度な知識と経験をもった専門家であり,子供にとっては,教員には話しにくい悩みや不安を打ち明けられる存在です。教員側にとっては,教員と子供の間を仲介する存在でもあります。
■社会福祉の専門家としての職務内容
SSWは,福祉の知識を備えた専門家です。例えば,家庭の経済状況が悪い子供が学校にいる場合,スクールソーシャルワーカーが解決策を探ります。家庭を訪問したりして,必要があると判断すれば,生活保護や就学援助を受ける手伝いをします。
■関係者が連携し,教育相談の体制をつくる
学校に,教職員,SC及びSSW等の関係者が一体となった教育相談体制づくり,関係機関や地域との連携体制づくりや教育相談コーディネーター役の教職員の配置等が求められます。