2018.07.23

テーマ1 教員の働き方改革

出る理由

教員の長時間労働が社会問題となっている。文部科学省の教員勤務実態調査(2017年4月)によれば、過労死ラインを超える教員の割合が小学校で約30%、中学校では約60%と深刻な状況。教員自身のワーク・ライフ・バランスの重要性、また子供と向き合う時間の確保という視点から学校の業務改善が進められており、2018年夏実施の最新筆記試験でも出題が散見される。

私見を挟まず、冷静に事実を述べる

文部科学省や教育委員会が教職員の働き方改革を進める中、教員採用試験でもこのテーマが問われるようになってきています。働き方改革を進めるには、さまざまな条件整備が必要である一方、当事者である教職員の意識改革も必要です。つまり、自治体としては、これから教員をめざす受験者に対して、教員の長時間労働の実態を知っているか、すなわち学校における働き方改革の背景や意義を理解しているかを問いたくなるというわけです。回答の際には、求められない限り私見は述べず、学校や教員を批判するのではなく、下記の要因を参考に、事実としてどのような実態があるのかを述べましょう。

「教育の質の向上」が最大の目標

最終的には「子供に向き合う時間をより確保していく」というスタンスで回答しましょう。また、教員の意識改革も必要です。文部科学省の次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタスクフォースが作成した「学校現場における業務の適正化に向けて」(2016年6月)の次の一文が参考になります。

保護者に尊敬され、地域に信頼される存在として、また、将来教員になりたいと子供たちから思われる存在として、教員が誇りや情熱を失うことなく、意欲・やりがいを高め、その使命と職責を遂行し、健康で充実して働き続けることができるよう、教員が担うべき業務を大胆に見直すとともに、長時間労働という働き方を改善することで、ワーク・ライフ・バランスの実現を果たしていく必要がある。

部活動の教育的意義を大切にしつつ、負担軽減策を述べる

負担が問題になっている部活動ですが、生徒の多様な学びの場として教育的な意義が大きいことは間違いありません。はじめから部活動を否定・拒否するのは受験生としては避けたほうがよいでしょう。部活動改善の方策として①部活動指導員といった外部人材を活用する、②活動時間を見直し「休養日」を設ける、といった教師と生徒の負担を減らす具体策を示すようにしましょう。