2021.08.26

実力チェックテスト【教職教養】教育心理

2020年夏に出題された教職教養の教育心理の問題に挑戦してみよう!

【問題1】心理学の研究者

【1】次の各文と関係の深い人物名をそれぞれ選べ。

⑴ ドイツの心理学者で,ウェルトハイマー,コフカとともにゲシュタルト心理学の中心人物の一人。特に知能に関する類人猿の実験は有名で,チンパンジーが回り道,道具の使用等の洞察を表す行動を示すことなどを明らかにした。
⑵ アメリカの心理学者。ネコを用いた問題箱の試行錯誤学習の実験は有名で,そこから,学習には動物の能動的な行動が必要であるという練習の法則及び効果の法則という主要な結果が導かれた。
⑶ アメリカの心理学者。1930 年代後半までに,実験箱を用いたオペラント行動研究の基礎を打ち立てた後,50 年代後半までに実験的行動分析を確立した。それとともに,実験で得られた原理をヒトの言語行動を含むさまざまな行動場面に応用した。

①トールマン  
②バンデューラ
③スキナー
④ケーラー
⑤ソーンダイク

【問題2】発達①

【2】ピアジェ(Piage, J.)の認知発達理論における次のア,イに関する説明を1つずつ選んだとき,正しい組み合わせを選べ。

ア 前操作期  イ 具体的操作期

① 言語やイメージの機能が十分ではなく,行動やそれに伴う感覚から外界を認識・理解しようとする。
② 抽象的な推理,論理的な思考が可能になり,仮説を立てて正しさを検証し,推理を行う。
③ 記号的機能が獲得され,表象機能が明確になっていく。そして,それに応じて延滞模倣や描画などの活動が活発になる。
④ 違う長さの鉛筆を長い順に並べるなど,物をある次元にそって順番に並べる系列化(seriation)や,生き物には動物と植物があるというように集合間の階層関係を理解する集合の包含(class inclusion)や,「A>Bであり,かつ,B>Cであるならば,A>Cである」という関係がわかる推移律(transitivity)といった論理操作ができるようになっていく。

⑴ ア−① イ−②  
⑵ ア−① イ−③
⑶ ア−② イ−③
⑷ ア−② イ−④
⑸ ア−③ イ−④
⑹ ア−③ イ−①

【問題3】発達②

【3】次の各文と最も関係の深いものをそれぞれ選べ。

⑴ エリクソンは,心理社会的危機の解決で自我の発達がなされるという立場から,生涯の危機を8段階に分類し,各段階に発達課題を位置づけた。
⑵ ローレンツは,生後間もない雛が孵化後のある一定期間内に出会う対象に愛着をもち,追従する行動を示すことを発見した。
⑶ ヴィゴツキーは,発達水準において,子供が独力で問題解決ができる水準と,周囲の大人の援助があって解決できる水準とがあり,この間にギャップがあることを主張した。

①心理的離乳 
②レディネス
③刷り込み
④生理的早産
⑤アニミズム
⑥発達の最近接領域
⑦アタッチメント
⑧適性処遇交互作用
⑨自我同一性

【問題4】心理検査

【4】心理検査について,正しいものを選べ。

⑴ P―Fスタディは,被検査者に人物を含んだ多義的な絵を見せてその絵に関する物語を想像させ,その内容を分析して人格特性や内的状態を診断する検査で,精神医学の診断方法としてだけでなく,犯罪学,産業心理学などの分野にまでも用いられている。
⑵ 矢田部・ギルフォード性格検査は,左右対称のインクのしみの図版10 枚を1枚ずつ提示し,何に見えるかを問い,その反応を分析して人格を多面的に診断する検査で,代表的な投影法の心理検査として用いられている。
⑶ ロールシャッハ・テストは,12 の下位尺度ごとに10 問,合計120 問の質問項目から構成され,特性論的な解釈だけでなく類型論的な評価も可能な検査で,比較的容易に実施でき,信頼性も高く,臨床や教育などの分野で用いられている。
⑷ 内田・クレペリン精神検査は,被検査者に一定の時間で隣り合う2つの1桁の数字を連続加算する作業をさせ,その結果から得られる作業曲線を評価し性格の特徴を判定する検査で,人材の採用や適正配置などに用いられている。
⑸ TAT は,2人の人物の不完全な対話で構成される欲求不満場面を絵で示し,被検査者に対話を完成させることによって人格特性を明らかにする検査で,児童用,青年用,成人用のそれぞれに日本版があり,臨床場面で用いられている。

【問題5】適応

【5】次の各文は,防衛機制に関わる用語について述べたものである。正しいものの組み合わせを選べ。

ア 投射 ─ 抑圧された衝動や感情,欲求と正反対の行動をとり,危険な衝動や感情,欲求が表出するのを防ぐこと。
イ 置き換え ─  自分にとって認めたくない内的な感情や欲求,考えを無意識的に他者がもっているかのように反応する心の働きのこと。
ウ 反動形成 ─  特定の対象への感情を,最初にその感情を引き起こした対象より危険の少ない対象または無害の対象に移しかえて心の緊張状態を解消しようとすること。
エ 抑圧 ─ 危険な考えや不都合な感情を意識にのぼらないように防ぎ,無意識下に閉じ込めること。
オ 退行 ─ 適応困難な事態で,より幼い発達段階に退却して,その段階で満足を得ようとすること。

⑴ ア・イ ⑵ ア・ウ ⑶ ア・エ
⑷ ア・オ ⑸ イ・ウ ⑹ イ・エ
⑺ イ・オ ⑻ ウ・エ ⑼ ウ・オ
⑽ エ・オ

【問題6】心理療法

【6】次の各文に当てはまる心理療法をそれぞれ選べ。

⑴ エクササイズをカウンセラーが提示し,クライエントがそれらを行う中で自ら気づき,解決に至ることを期待する。
⑵ 日本では,エリック・バーンの基礎理論を中心とし,心の状態を示す「エゴグラム」の利用が活発である。
⑶ 不適応行動や問題解決の援助にあたって,パーソナリティーの変容よりも,学習によって人間の行動が変化する側面に注目する。

①精神分析療法  
②来談者中心療法
③ゲシュタルト療法
④箱庭療法
⑤行動理論
⑥交流分析

〈解答〉 【1】⑴−④ ⑵−⑤ ⑶−③ 【2】⑸ 【3】⑴−⑨ ⑵−③ ⑶−⑥ 【4】⑷ 【5】⑽ 【6】⑴−② ⑵ −⑥ ⑶−⑤

〈解説〉
【1】⑴洞察あるいは見通しを得ることの重要性を指摘した人物。⑵試行錯誤説を唱えた人物。⑶ヒトを含む動物の行動を分析してその法則を見出そうとする学問が行動分析。
【2】①感覚運動期,②形式的操作期の説明。
【3】⑴青年期の心理社会的危機が同一性対同一性拡散である。⑵インプリンティングともいう。⑶この発達の最近接領域に働きかける教育が今の主流である。
【4】⑴「P-F スタディ」ではなく「TAT(主題統覚検査あるいは主題構成検査)」。⑵「矢田部・ギルフォード性格検査」ではなく「ロールシャッハ・テスト」。⑶「ロールシャッハ・テスト」ではなく「矢田部・ギルフォード性格検査(YG 性格検査)」。⑷内田・クレペリン検査は,作業法検査の代表である。⑸「TAT」ではなく「P-F スタディ(絵画欲求不満検査)」。
【5】ア:「投射」ではなく「反動形成」。イ:「置き換え」ではなく「投射」。ウ:「反動形成」ではなく「置き換え」。