2023.03.25

採用試験関連

東京都 実施要綱にて令和5年度試験(2023年実施)での変更点を公表

東京都教育委員会は、令和5年度東京都公立学校教員採用候補者選考(6年度採用・2023年実施)の実施要綱発表に合わせ、令和5年度(2023年度)試験における主な変更点を公表した。
東京都の教員試験としては近年にない大規模な変更となり、実施要綱では「新規」「要件緩和」「変更」として、変更点を分類している。

今回公表された主な変更点は以下のとおり。
【新規】
①「大学3年生前倒し選考」の実施
大学3年次等に、前倒しして1次選考の「教職教養」と「専門教養」を受験し、「教職教養」「専門教養」の点数で一定以上の点数を取った者については「選考通過者」として、翌年度(大学4年次)に「論文」選考を受験。合格者には2次選考に進む。不合格になった場合でも、翌年度の受験が可能。
一般選考で募集している校種等・教科(科目等)で実施し、対象となるのは「①現在大学3年生等(※大学、大学院、短期大学、専門学校の最終年次の1年前の年次〈いずれの学校にも所属していない科目等履修生は含まない〉)で令和6年度中に卒業見込みの者」「②必要な免許状を令和6(2024)年4月2日から令和7(2025)年4月1日までに取得する見込みの者」「③昭和60(1985)年4月2日以降に出生した者」となる。
なお、令和6年度受験(2024年実施)をする際は、改めて令和6年度の採用選考に同様の校種等・教科(科目等)で申し込む必要がある。

②東京都公立学校正規教員経験者のカムバック採用の実施
過去に、東京都公立学校の正規任用教員として3年以上の勤務経験があり、一定の要件を満たした者を対象に実施する。
退職時と同じ校種等・教科(科目等)で受験する場合で、退職後10年を経過していない者(令和5年度実施選考においては平成26(2014)年3月31日以降に退職した者)について、1次試験を免除する。

③併願の拡大
一般選考申込者で希望する者のうち、各校種・教科から「特別支援学校への併願」(特別支援学校小学部は小学校全科への併願)ができるようになる。
1次試験の結果、一定の基準を満たした場合は、第2希望として「併願教科」の2次選考を受験することができる。

【要件緩和】
④社会人特例選考における年齢要件の緩和
社会人特例選考の年齢要件を40歳以上から25歳以上で社会人経験が2年以上ある者(※1)に引き下げ、社会人特例選考受験者のみが希望できる免許取得期間猶予(合格後2年以内に必要な免許状を取得し、免許取得後に採用となる)の対象者を拡大する(※2)。
(※1)勤務経験は常勤、非常勤(パート、アルバイト)を問わない。
(※2)ただし、受験に必要な免許状を取得済みの者又は令和6(2024)年4月1日までに取得見込みの者は免許取得期間猶予を希望することはできない。

⑤「福祉」及び「水産」の特別選考における資格要件の緩和
受験資格の要件を緩和(※)し、受験しやすくする。また、特別免許状を取得済みの者または令和6(2024)年4月1日までに取得する見込みの者を対象者に加える。
※「福祉」の受験資格について、「一般選考の中学校・高等学校共通で募集する教科(科目等)又は小学校・中学校・高等学校共通で募集する教科のうち、いずれか一つの高等学校教諭普通免許状を取得済み(又は取得見込み)の者」および「「介護福祉士」又は「医師、保健師、助産師又は看護師」のいずれかの資格を有する者」の要件を削除。

【変更】
⑥合格発表の前倒し
例年10月中旬に発表していた合格発表(令和4年度試験では10月14日)を、民間企業の内定式(10月1日~)より早い、9月29日(金)に変更。

⑦「小中理科」「小中高保健体育」の募集
「小学校全科(理科コース)」「中高保健体育」を廃止し、新たに「小中理科」「小中高保健体育」として募集。

⑧集団面接の廃止:
2次試験の面接について、集団面接を廃止し、個人面接のみを行う。なお、個人面接については十分に能力実証が図れるよう面接内容を充実させるとしている。

⑨単元指導計画等の廃止
2次試験で実施する個人面接時に提出を求めていた単元指導計画等を廃止する。

⑩適性検査の廃止
特例選考⑥(社会人経験者)の選考方法を見直し、1次試験で実施していた適性検査を廃止する。

⑪実技内容の変更
音楽:ピアノ初見演奏と声楽初見視唱を廃止し「ピアノ伴奏付き歌唱」のみに変更する。
美術:色鉛筆による静物画を「鉛筆による素描」に変更する。
保健体育:実施種目を6種目(器械運動〈跳び箱運動〉、陸上競技、水泳、球技〈バスケットボール〉、武道〈剣道〉、ダンス)を4種目(器械運動〈マット運動〉、水泳、球技〈サッカー〉、武道〈柔道〉に変更する。
英語:聴解、音読とその内容等に関する質疑応答を「英語でのスピーチとディスカッション」に変更する。

⑫受験可能年齢の引き上げ
受験可能な年齢を「59歳まで」から「60歳まで(昭和38〈1963〉年4月2日以降に出生)」に変更する。

⑬第一次選考における地方会場(広島)の新設
これまで実施してきた1次試験の地方会場のうち福岡会場を廃止し「広島会場」を新設する(他に宮城会場、大阪会場でも実施)

⑭その他
・実施要綱に、前年からの主な変更点や選考区分早見表、各選考区分における選考方法一覧を掲載する。
・志望者自ら「どの選考区分で受験可能か」「所持する免許でどの校種等・教科が受験可能か」などをオンライン上で確認できる手続きガイドにより、選考制度を分かりやすく案内する。
・東京都公立学校教員採用ポータルサイトのリニューアルを実施。



東京都教育委員会:令和5年度東京都公立学校教員採用候補者選考(6年度採用)実施要綱
https://www.kyoinsaiyopr.metro.tokyo.lg.jp/recruit/information.html

東京都教育委員会:東京都公立学校教員採用ポータルサイト
https://www.kyoinsaiyopr.metro.tokyo.lg.jp