2019.04.25

第4回 ジーニー永井の驚くほど捗るマジカル学習術

「参考書を覚えるのに飽きた」「問題集を解くのが辛い」。長く受験勉強を続けていると,必ず一度はそうした「壁」にぶつかります。このコーナーでは,そうした受験生の悩みを,教採のカリスマ・ジーニー永井先生が,「魔法のように捗る学習術」で解消! 実践すれば,必ず効きます!

小学校全科は自治体ごとに出題の特徴がある

 小学校全科があると,対策すべきことが非常に多く感じられますよね。でも,学部2年生ならまだ時間はたくさんあります。まずは落ち着いて,過去問を見ることから始めましょう。
 小学校全科は,自治体ごとに出題の仕方に一定の傾向があります。学習指導要領の内容の空欄補充,指導法に関すること,専門的な知識(算数・数学等の問題を実際に解かせる)に関することなど,出題の内容や形式に特徴があるのです。この傾向をつかめば,例えば,学習指導要領の出題は,体育・音楽・図画工作からしか出ていないなど,「最初に手をつける」べきことが見えてきます。
 また,教職教養や一般教養の対策とのバランスですが,私のこれまでの経験からすると,教職・一般,専門教養について,同時並行で進めていくことは,合格の鉄則だと感じています。教員採用試験は出題範囲がとても広い試験です。どこかに重点を置くと,手を付けていないところを忘れてしまう心配があります。まんべんなく,対策を進めましょう。

出題者は,新旧の違いを押さえているかを知りたい

 この時期に,旧学習指導要領の勉強をするのか,新学習指導要領の勉強をするのかについては,たくさん,ご質問を頂きます。私は,この点について,2つの方策があると考えています。
 1つ目は,旧学習指導要領と新学習指導要領の勉強は,別々のように見えて,別ではないということです。ご存知の通り,新学習指導要領は,小学校が2020年度,中学校が2021年度,高校が2022年度から全面実施の予定で,現在は移行期間の真っ只中。このような時期において,出題者は,旧学習指導要領から新学習指導要領では,どこがどのように変わったのか,受験生が理解しているかを確かめたいと考えていると予測できます。そのため,2018 年夏の出題傾向から見ても出題自体は新学習指導要領から問われるはずですが,出る箇所は,旧学習指導要領から大きく変わった点が中心になるはずです。
 対策を進める際は,旧学習指導要領と新学習指導要領を並べて,何が変更されたのか,追加されたのかなど,マーカーを引いたり,メモ書きをしたりして,新旧の違いを押さえていくと,より効果的な学習になるでしょう。

著・監修/ジーニー永井

本名, 永井大樹。東京大学大学院教育学研究科博士課程満期退学。教員採用試験の合格請負人として全国の大学での講演やプログラムの開発に携わる。膨大な人数の教員志望者のカウンセリング実績を持つ。現在は,淑徳大学総合福祉学部教育福祉学科専任講師